平成15年度公営企業会計決算特別委員会 総括質疑

真木 茂(民主党)
■水道事業
 
 ▼真木委員
 民主党の真木でございます。私は第一分科会に所属をしておりましたものですから、本日は、第一分科会の管轄以外のところを中心にお伺いをさせていただきたいというぐあいに思っております。水道局、下水道局、ちょっと質問が多くなりますが、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、最初に、水道局についてお尋ねをいたします。
 私にとりまして、この十五年度における東京都の水道関係の思い出といいますと、何よりもこの十五年の第四回定例議会におきまして、これは水道局予算ではありませんけれども、八ッ場ダムに対する追加出資をめぐって、民主党は全員議場から退席をするという極めて異例の行動をとらせていただきました。それだけ多くの議論があって、私たちもまじめに、本当に真剣に、多くの議員が現場に赴き、議論に議論を重ねて、そしてそうした中での窮余の策として全員が退席するということになったわけではございますが、それだけの議論を重ねてきた思い出深いものでございます。
 その前提であります八ッ場ダムの追加出資の問題は、水道局の方で提出をしました水需要予測の見直しがございます。戸倉ダムを中止にし、八ッ場ダムについては引き続き建設をする、お金をさらに出してまで建設をするという、そのもとになりますのが水需要予測の見直しであります。
 本日審議しておりますのは十五年度決算でございますが、その決算書にその水需要予測の見直しが一切書かれておりません。私はこれは非常に重要な、十五年度決算を語る上で、最も水道局として大切な事項であるというぐあいに認識をしますけれども、それが一切書かれておりません。この辺の認識につきまして確認をいたします。
 
 ▼水道局長
 今回の水道需要予測の変更に関する決算の記載につきましては、平成二年度あるいは平成十年度におきます水需要予測の変更時の例にならいまして取り扱ったものでございますけれども、水道需要予測そのものは重要な事項であると認識をしておりまして、事業概要などにも将来の水道需要を公表しているところでございます。
 なお、よりよい公表のあり方につきましては、今後検討課題としてまいります。
 
 ▼真木委員
 予算、決算というのはともに何も数字だけの問題ではないというぐあいに思います。予算にしろ、決算にしろ、これは何も私どもは会計監査をしているわけじゃありません。予算審議、決算審議、それぞれその年度の局のあり方、東京都の行政のあり方について議論をしているわけでございまして、その中でも最も今後の活動の基本となる、十五年度の活動の基本となりました、また、今後のまさに百年を見通した上での活動の基本となる水需要予測の見直し、これは数字には出てこないものでありますが、決算概要書というわざわざ文書までつけていただいているわけでございますので、ぜひこれは書くべきものである。何か書かないでいると要らぬ腹を探らなきゃいけない、やはりそんなことは触れたくないのかなと。でも、それはどんなに修正した、見直しをしたといっても、これは恥じることなく堂々とやはり書くべきものだと私は思います。ぜひ今後のあり方の見直しとともに、水需要予測というものが最も大切であるということの認識を改めて確認をしておきたいと思います。
 続きまして、同じく決算書の事業概要の中にございました、十五年度の中に、多摩地区の地下水が予備水源から認可水源に位置づけられたということが触れられております。予備水源から認可水源に上がった、これは紛れもなくランクアップしたということでございまして、私どもとしては地下水の重要性などを主張させていただきました。歓迎すべき事態だというぐあいに思いますけれども、文字どおり東京都の認識が変わった、地下水源をランクアップしたというぐあいに考えてよろしいんですよね。
 
 ▼水道局長
 平成十五年度末に受けました水道事業の認可変更では、地下水が水道水として現在供給されているという実態がありますことから、認可対象として整理をされたものでございます。多摩地区の地下水が、長期的に見まして、地盤沈下や水質の面から水源として不安定であるということにつきましては従前と同様でございまして、国ともこの基本的な認識は一致をしているところでございます。
 
 ▼真木委員
 不安定であるということに関しては、いろいろな議論があるんだと思います。それとともに、やはり地下水源というものをもうちょっと身近な水源として、そして今後の環境への問題、さらには危機対策、危機管理という観点からしても、さらなる位置づけを図っていただきたいというぐあいに思うところでございます。
 そうした中で、私は、私の地元の町田市にございます原町田水源について、平成十五年の第一回定例会で一般質問の中で聞かせていただきました。私はこの原町田水源というものが、厚生労働省の通達一枚、地下三十メートルからの取水をしている浅井戸であるということによってのみ、それだけの、通達一枚の理由によってのみ--今までの水質が悪化したわけではない、ただ、アメリカにおいてクリプトスポリジウムという菌が出て、その危険性が指摘されるから浅井戸については見直すようにという通達一枚で、原町田水源が今休止に至っております。私は後で申し上げますが、この水源はやはり重要視--見直すべきだ、大変いい水だというぐあいに聞いております。それで水源の復活を求めました。
 そうしましたところ、まさに最初にこの場に私たち議員が集まったときに、この平成十五年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調、議会局の方でおつくりいただいております公営企業会計関係の調べを私は目にいたしました。ぺらぺらぺらとめくっていたら、私の質問を載っけてくれておりまして、その後どうなったかということで検討状況について議会局の方で水道局の方に聞いたものを記してありました。へえ、うれしいなと。こうして私は質問したままでございましたけれども、議会局の方がフォローアップをしてくださっているということで、本当に敬意を表するものであります。水道局が議会局に提出をした資料の中では、「原町田水源の再開については、今後とも水質の動向を監視していくとともに、給水の安定性や緊急度などを踏まえ検討していく」というぐあいに記されております。
 そこでお尋ねをいたします。原町田水源の再開へ向けた取り組みについて、その後の状況はどうなっておりますでしょうか。
 
 ▼水道局長
 原町田浄水所でございますが、井戸水源が三本ございますけれども、そのうちの一本の原水中から、クリプトスポリジウムによる汚染のおそれを判断する指標でございます大腸菌が検出をされました。クリプトスポリジウムは激しい下痢などを引き起こす微生物でありますことから、国の指針に基づきまして、平成十四年九月より当該井戸の取水を停止をしております。取水停止以降現在まで、大腸菌につきまして毎月水質検査を実施しておりますが、ことしの六月及び七月にも検出をされているという状況でございます。
 
 ▼真木委員
 クリプトスポリジウムについて検査しているわけじゃないわけですね。大腸菌は井戸水であればどこからでも出てくるわけであります。朝霞浄水場だって、その前のもとの水は大腸菌が当然検出されているはずであります。大腸菌は塩素で簡単に消えるわけでありまして、大腸菌が検出されたからといって、何も飲み水のもとの水として危ないことは全くありません。しかしながら、浅井戸であるならば、クリプトスポリジウムという、簡単なろ過装置であれば通ってしまう可能性があるので、その場合は膜ろ過装置をつけるなり、措置をしなければ停止をしなさいという国の指導であります。ですから、膜ろ過装置をつければ簡単に再開はできる。非常にこれは地元の皆さん、また業者の皆さんに聞いても、上質な水であるということで評判の水でございます。これは後でまた申し上げますが、ぜひ復活する方向で考えていただきたいというぐあいに思うわけでありますが、今後の再開に向けた展望はいかがでございましょうか。
 
 ▼水道局長
 原町田浄水所につきましては、現在でも地域に必要な給水量が確保されておりますとともに、震災時に必要な飲料水も確保されております。
 なお、多摩地区におきます井戸水源は、平常時はもとより、災害時におきましても身近に利用できる貴重な水源でありますことから、水質や地盤沈下の動向などを踏まえながら活用することとしております。お話の取水停止をしております井戸水源につきましても、今後の水源水質の動向等を勘案して対応を検討してまいります。
 
 ▼真木委員
 ぜひ再開に向けた検討をお願い申し上げたいと思います。大腸菌が出てきたからといって、決してこれは危険なものではありません。クリプトスポリジウムが仮に出てきたとしても、膜ろ過装置というものをつければ、今あちらこちらでつくられております膜ろ過装置をつければ、これは再開できるものなんです。原町田水源と同じ規模の深沢浄水所におきましては、膜ろ過装置を設置いたしました。その建設費用は四億五千万円でございます。
 今、災害時における水は確保されているというお話でございましたが、これは理論値、一人一日三リットルという理論値だけでございまして、先ほど同僚議員からも、水を控えていてエコノミークラス症候群になったということでございますけれども、トイレの水も流せない、水を飲めばトイレに行く、そういったことであらゆる水を控えているわけですね。そういった一日三リットルでは、これは生き長らえていくことはできるだろうけれども、決して--災害時に文化的な生活とまではいわないですけれども、しかしながら、皆さんが少しでも安心できる生活になるレベルではありません。この理論値、一日三リットルを確保するというのは、総務局の総合防災部の一日三リットルという計算に基づいて応急給水槽が設置されているわけでありますけれども、その応急給水槽などの計算に基づいて、災害時の水は確保されているということでございますけれども、しかしながら、目の前が火事であったら、その応急給水槽の水は使わなきゃいけないんですね。これは消防庁からも補助金が出ているわけでありまして、目の前で火が出ていて、飲み水だから使わないということにはならないわけであります。
 そして、町田市にあります一千五百トンの応急給水槽は建設費に九億円かかっております。そして、今度また町田市に百トンの応急給水槽を二つつくっていただきますけれども、百トンの応急給水槽でも一億三、四千万かかるわけですね。百トンなんていう水は、火が出ていれば、あっという間に消えてなくなってしまうわけであります。
 そうしましたところ、やはりやりとりの中でも、これで膜ろ過装置、わずか七百トンのために四億五千万の膜ろ過装置をつければ、八ッ場ダムの水よりも高くなるというご説明をいただきました。しかしながら、一方の災害対策として考えるならば、使って、すぐあっという間になくなってしまう水の百トンのために一億三千万円のお金を使っている。この原町田水源は、休止した分だけでも一日に七百トンあるわけですね。そうすると、二日分で一千四百トン。だから、今一億三千万円使ってつくろうとしている百トン分の応急給水槽七個分、それが一日に水が出てくるわけであります。安全対策として、この応急給水槽をつくるよりも、井戸水源を確保している方がはるかに市民の安心につながるわけであります。
 しかしながら、なぜ水道局が、この応急給水槽は総務局予算でつくってもらうけれども、水道局予算としてその四億五千万円が高いというぐあいに考えるかというと、私が考えるには、水をためておくという予算は総務局予算で応急給水槽をやってくれる。水道局がそっちの分には税金が入ってこない。だから、その水の備蓄の部分については総務局の予算でやって、自分たちの分はそっちには回さないというようなところになってしまうんじゃないかなということで私は推察してしまうわけであります。
 ちょっと長くなりますが、あらゆるライフライン関係の公営企業体というんでしょうか、東京電力、NTT、東京ガス、これらはお客様からの料金、私たち市民からの料金でその危機管理分までやっています。なぜ水道局だけが危機管理のために税金がつぎ込まれるのか、私はこれ自体に疑問を持っておりました。
 しかしながら、この間、水道局の皆様と議論をさせていただく中で、私たち水道局も、地震が起きたときに水がとまらないように、一生懸命水道局の料金、都民の料金の中でやっているということでございました。備蓄については全く別次元だという理論をいただきました。ああ、それもそうだな、備蓄については、確かに石油備蓄なども国の税金でやっている、わかったと。じゃあどんな地震が起きても壊れないようにするのは料金でやってくれ、でも、ためるのは税金でやろう、その理屈は僕は大いに納得できるところでございます。でも、そのためるための税金を、総務局で回ってしまうから、二キロ四方に、徒歩圏で行けるようにということで、百トンの使い勝手の悪い応急給水槽ばかりをつくってくるという形になってしまう。
 そうじゃなくて、水道局に直接税金が入って、危機管理分、備蓄、水の備水の分まで水道局が使っていいよ、この金で、税金でやりなさいということにすれば、この四億五千万円で膜ろ過装置をつけて、井戸水の、地下の、自家発電装置もあるこの原町田水源で危機管理の機能も持たせていこうという理屈は容易に成り立つんだと思うんですね。
 この辺の法律の絡みもあって、長期課題になるんだと思いますけれども、こうした水をためていくことに対する税金の使われ方について、水道局としてもぜひ、今のもう応急給水槽は九七%網羅されるわけであります。総務局との関係の中で、この水をためるということについて、その税金の使い方、ぜひ水道局が一元的にやるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
 
 ▼水道局長
 お話にもございましたけれども、水道事業者としまして、震災時におきましても安定給水を確保することが何よりもまず必要だ、このことは十分認識をしております。そのため、浄水場、給水所及び配水管など、水道施設の耐震化を図りますとともに、非常時のバックアップ機能の強化に努めております。
 また、応急給水拠点の整備につきましては、東京都震災対策条例におきまして、震災時の飲料水確保のための施設整備は、水道事業とは異なり、行政施策とされておりますことから、関係局との協議の上で実施をしているものでございます。
 なお、ご意見につきましては、防災行政と水道事業の守備範囲のあり方を含めまして、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。
 
 ▼真木委員
 総務局予算でついているこの応急給水槽の調査、また設置についても、実は全部水道局に丸投げされていて、水道局がやっているという実態があります。そうしたことならば、水道局が一元的に企画、運営した方が効率的なものができるというぐあいに私は判断をいたします。ぜひ、今最後、研究課題とするというご答弁をいただきましたが、飲み水の確保、そして有効的な地下水の活用、そして危機管理、一元的に水道局がやっていただけるような方向でご検討をお願い申し上げたいと思います。
 引き続き危機管理についてお尋ねをいたします。
 水が地震のときなどにとまってしまったというときに、他県から水をもらうということは大変有効な手段である。水道局が今その活動を進めております。平成十五年十月に埼玉との協定を結びました。十二月には川崎との協定を結びました。この相互融通の進捗状況はいかがでございましょうか。
 
 ▼水道局長
 埼玉県との朝霞連絡管及び川崎市との登戸連絡管につきましては、整備につきまして協議が調いまして、お話にありましたように、平成十五年に基本協定を締結しております。このうち、朝霞連絡管につきましては、今年度中に工事着手をする予定でございます。
 
 ▼真木委員
 今着々と進めていただいているということでございますが、今融通水量は十万立米ということですね、一日当たり。これは三十万人分の水でございます。まだまだ足りません。さらに進めるべきだと思いますが、今後の展開、横浜水道局や他県、千葉県とかもございます。今後の展開はいかがでございましょうか。
 
 ▼水道局長
 隣接をしております水道事業体間で送配水管を接続しまして、水道水を広域的に相互融通する体制が構築できれば、災害などの非常時における水の確保、さらにはバックアップが困難な地域への相互補完が可能になるなど、より一層の安定給水が図れるものと考えております。このため、引き続き近隣水道事業体との間で相互融通の検討を進めてまいります。
 
 ▼真木委員
 ぜひ積極的に進めていただきたいというぐあいに思います。
 そうしたことを今後進めていく上で、今多摩地区におきましては、水道の一元化、事務委託解消が進められております。これはもう計画に乗って、多摩の方で、ほとんどの市区町村で一元化されていくことになりますけれども、今それぞれの市でやっている水道の事務、各市に一つずつ、ほとんどの市で一つずつ水道の事務所があって、そこでお客様との窓口、さらには業者との窓口が置かれているわけであります。
 これが一元化された後、東京都はどのように給水管理事務、もしくはお客様との窓口、サービスステーションをどのような配置に、どのような業務をそれらの--今、給水管理事務所やサービスステーションを置くということでございますが、それらの業務内容をお伺いいたします。また、それぞれの設置予定数をお伺いいたします。
 
 ▼水道局長
 給水管理事務所でございますが、サービスステーションを統括管理するとともに、管轄区域内の水道施設の維持管理業務を行うために設置をいたします。
 また、サービスステーションは、各地域におきます料金の滞納整理業務や給水装置工事の立ち会いなどを行うほか、水道料金の窓口収納業務を行うために設置をいたします。
 なお、設置箇所数につきましては、給水管理事務所は四カ所、サービスステーションは十二カ所程度を予定しております。
 
 ▼真木委員
 一元化の対象市区町村数は二十五市町ですね。今のご説明では、四カ所と、合わせて十二カ所。そうしますと、二分の一、二つの市町に一つのサービスステーションなり給水管理事務所ということになります。この具体的な設置の検討状況はいかがでございましょうか。
 
 ▼水道局長
 サービスステーションは市町に対する事務委託の解消に合わせまして設置をするものでございまして、お客様の利便性、人口や地域のバランス、業務執行の効率性等を考慮いたしまして配置をすることが基本と考えております。具体的な配置につきましては、事務委託の解消状況に合わせまして今後検討してまいります。
 
 ▼真木委員
 二十四市と町の合計人口は三百七十二万人でございます。これを十二カ所で割ると三十一万人ということでございまして、手前勝手なことをいえば、私の町田市は四十一万人でございますので、当然一カ所来るなというぐあいに思うわけでありますが、しかし、サービスステーション、これは市民との窓口だけでございまして、今後の、先ほど私が質問させていただきました相互融通の話などにおいては、都県境の部分におきましても非常に重要な業務が行われます。そうした意味でも、ぜひ給水管理事務所を単に地理的にだけ考えるのじゃなくて、人口バランスや業務内容、そうしたものも踏まえてぜひバランスよく設置をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 地震が起きたら、総務局の想定では、水が復活するまで十五日かかるということでございます。朝霞浄水場から最も遠い、私の地元町田市では、その十五日目にかかるんじゃないかなということが危惧されているところでございます。そうした意味で、先ほどの相互融通などは非常に多くの市民が期待をしているところでございまして、その相互融通の仕事の重さというのは相当ある、そうしたことも踏まえてご検討をいただきたいとお願いを申し上げておきます。
 最後に、水道局にお尋ねをしたいと思います。私は、今東京の水に関して非常に危機感を覚えております。と申しますのは、子どもが小学校三年生でございまして、町田市立の公立小学校に通っております。去年初めて私知ったんですけれども、小学校に水筒を持っていっていいということになったと。ええっとびっくりしたわけでございますが、お前は要らない、お前は水道の水を飲むんだといったんですけれども、友達みんな水筒を持ってきているといわれまして、水筒を持っていかないと親の愛情がないように思われる、もしくは金がないように思われてしまうなと思って、情けない時代、最初は我慢させたんですけれども、持っていきたいということを強くいわれて、そのまま今は毎日のように水筒を持っていっております。
 これは多くの家庭で、私は水割りを家で飲むときも水道水で飲んでおりますけれども、そういうのは少数派になっているようでございまして、多くのご家庭ではお米を炊くのも水道じゃなくて、買ってきたお水を使うようでございますけれども、ただ、今の大人は水道水が飲めないなんということはだれも思っていないわけですね。おいしくはないとか、ちょっと危ないとか、いろいろいってはいるけれども、飲めないなんということは思っていない。みんな飲んで育ってきた。ところが、今の子どもたちは、水道水は飲めないものだ、飲んじゃいけないものだ、危ないものだといって育っている子どもが相当いるんじゃないかなということに関して、私は強い危惧を覚えるものであります。
 今、東京都水道局ではおいしい水プロジェクトをやって、クリーンアップ貯水槽、こういった活動をやっております。これは高く評価をさせていただきたいというぐあいに思いますが、学校対策、これからも東京の水を飲み続けていっていただかなければならない、この学校の子どもたち、この子どもたちに、東京の水は安全なんだということをさらにしっかりとPRをして、おいしい水を学校でも飲んでいただけるように、学校に対する働きかけというものを水道局としてもしていかないといけないというぐあいに思うわけでありますが、子どもへの対策、学校への対策、局長の決意をお伺いしたいと思います。
 
 ▼水道局長
 ただいまの点に関しましては同感でございます。次の世代を担う子どもたちが、水道水に対して正しい理解を持つことは大変重要なことでございます。これまでも小中学生を対象といたしました学習資料を作成しまして、配布をしておりますほか、学校に当局の職員が出向きまして、水道水の話をする水道教室を行っております。また、夏休みや春休みを利用しまして、親子水道施設見学会を開催しております。さらに、今年度にスタートいたしました安全でおいしい水プロジェクトにおきまして、小学生を持つご家庭を対象に水道親子サポーター制度を創設いたしまして、水道に対する理解を深めていただくよう努めております。
 今後とも、水道水の安全性につきまして、子どもたちへの取り組みはもちろんでございますが、広く都民の方々に積極的にPRをしてまいります。
 なお、直結給水への切りかえにつきましては、広く関係機関に働きかけを行っていくこととしております。
 
 ▼真木委員
 水道局長初め水道局の皆さん、本当にご苦労だと思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 
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■下水道事業での地球温暖化防止
 
 ▼真木委員
 続きまして、下水道局にお尋ねをいたします。
 下水道局におきましては、小水力発電事業というものを始められました。この決算の事業概要説明の中でも局長が軽く触れられたかと思いますけれども、極めて謙虚に、二村局長のお人柄じゃないかと思いますが、謙虚にしか触れられておりませんでした。私はこの小水力発電事業は極めて画期的な事業だというぐあいに思っているところでございますが、下水道局としてのこの小水力発電事業の画期性についての認識をお尋ねをいたします。
 
 ▼下水道局長
 小水力発電事業は民間との共同研究の成果で得たものでございまして、わずかな放流落差と豊富な放流水量から電力を生み出す新技術を下水道事業として全国で初めて実用化して、二十年間の事業として行うものでございます。実施に当たりましては、設計から建設、運転管理までの分野に民間の資金や技術力を活用するなど、新たな事業手法を導入しております。
 この発電の取り組みによりまして、電力コストの削減のほか、再生可能エネルギー活用による温室効果ガスの削減など、地球環境保全にも貢献できるものというふうに考えております。
 
 ▼真木委員
 私は、昨日、環境局に対する、今度所属をすることになりました環境・建設委員会におきまして、事務事業質疑の中で、東京都として、ロシアが締結をしたことによって発効することになりました京都議定書、東京都としても少々金がかかっても取り組むべきだということで昨日質問をさせていただきました。下水道局もそれを早速実践しているんだなと、少々金がかかっても、コスト増になってもやっているんだなというぐあいに私は思っておりました。
 ところが、今ご答弁にありましたように、コストパフォーマンスがいい、経費削減になるということもわかりました。さらに、当然のことながら環境効果は高いわけであります。森ヶ崎水再生センターにおけるこの小水力発電事業で、今後二十年間、経済効果と環境効果をどのように見積もっているのかを確認いたします。
 
 ▼下水道局長
 本事業によります発電量は、二十年間で約千六百万キロワットアワーになります。これによります環境効果は、二酸化炭素に換算いたしまして、約六千トンの温室効果ガスを削減することが可能でございまして、これは代々木公園の約三十個分の森林が吸収する量に相当いたします。
 また、経済効果といたしましては、電力コストの削減に加えまして、自然エネルギーの普及促進を目的としたグリーン電力基金の活用、さらには、二酸化炭素削減などの環境付加価値を有価で取り引きするグリーン電力証書の売却収入を合わせますと、約四千万円のコスト削減が見込めるということでございます。
 
 ▼真木委員
 まさに一石二鳥、私は環境効果だけで、経済的には余り割が合わないんだろうなというぐあいに思っておりましたら、何と経済効果もあるということでございまして、こんな一石二鳥の事業をやらない手はない。区部には十三カ所の下水処理場がございます。流域下水道には多摩地区に七カ所の水再生センターですね、下水処理場がございます。
 この技術も、先ほど答弁の中にありましたように、共同研究で、東京都が率先して研究をしてきて、そして初めて開発した技術でございます。ある程度の落差と相当な水量がなきゃできないということでございまして、今の技術ではこの二カ所で打ちどめだということでございますけれども、技術開発の成果でできたこの技術、さらにまだまだ研究を重ねることによって、小水力発電、今申し上げました残りの十一カ所、さらに多摩地区の七カ所、この東京都直轄だけじゃなくて、各市が持っている下水処理場などにも展開ができていくものだというぐあいに思います。東京都は率先して、この二カ所で満足するのではなくて、技術開発を進めていただきたい。そうしたことも含めて、地球温暖化防止に向けて、局としてさらに取り組みを強化していただきたいと思うわけでございますが、局長のその決意、姿勢についてお尋ねをいたします。
 
 ▼下水道局長
 下水道局では、都内で使用されております電力の約一%を超えます膨大な電力を消費しております。また、都の事務事業活動に伴います温室効果ガス排出量の約四三%を占める最大の排出者となっております。さらに、今後、合流式下水道の改善でありますとか高度処理の推進に伴いまして、温室効果ガスの増加が見込まれております。そのため、一刻も早く総合的な対策を進める必要がございまして、「アースプラン二〇〇四」を策定したものでございます。
 ご指摘のとおり、今後も小水力発電のような温室効果ガスの排出が少ない新技術の研究開発に努めるとともに、日常業務での努力を一つ一つ積み重ねまして、地球温暖化の防止に局を挙げて取り組んでまいります。
 
 ▼真木委員
 昨今の技術革新は本当に目をみはるものがございまして、できないと思っていたものが次から次にできてまいります。それは本当にちょっとの研究投資をしていくことで実現可能となっていく。こうしたことへの研究投資はやはり東京都が率先してやっていかなければ、ほかの、民間ではなかなかし切れない技術でございます。ぜひ東京都が率先して技術開発に取り組んでいただけるようにお願いを申し上げたいと思います。
 
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■都営交通
 
 ▼真木委員
 続きまして、交通局についてお尋ねをいたします。
 私ども民主党で、この総括質疑について、質問内容について議論をいたしました。そうしましたところ、複数の議員から、都バスが黒煙を吐いている、一体どうなっているんだというご指摘がございました。市民からも受けたという先生、議員仲間ですね、そしておれは直接見た、都バスが黒煙を出しているのを直接見たというご意見がございました。私も聞くところによれば、そういった--私は直接見ておりませんが、そんな声を耳にいたしました。そんなことはないと思うわけでありますが(「ありますよ、見ました」と呼ぶ者あり)東京都において、東京都交通局がどのように、この苦情とか来ているのかどうか、現状認識をお尋ねをいたします。
 
 ▼交通局長
 交通局では、都営バスにDPF装置を装着いたしました後、一カ月ごとの定期点検整備時に、黒煙測定器による黒煙排出状況の測定を実施するとともに、エンジン調整、DPF装置のフィルター清掃等を実施し、装置の性能維持に努めております。
 黒煙排出の通報につきましては、都営バスの関連で黒煙ストップ一一〇番に寄せられたものといたしましては、現在までで九件となっております。
 
 ▼真木委員
 環境局に寄せられたクレームだけでも九件。今この議場からも、見たというご意見をいただきました。こうした意見があった場合、指摘があった場合、交通局としてはどのように対応しているのでありましょうか。
 
 ▼交通局長
 苦情を受けました場合には、対象車両を早急に車庫に入庫させ、黒煙測定器により黒煙の排出状況を確認しております。
 黒煙ストップ一一〇番に寄せられた九件についてでございますけれども、該当車両が特定できなかったものが二件、道路運送車両法で定められた排出基準値を下回っていたものが七件でございまして、基準値を超えていた車両はございませんでした。しかしながら、黒煙排出防止に万全を期すため、これらの車両につきましては、エンジン部品等々の点検整備を実施したところです。
 
 ▼真木委員
 ちゃんと認可を受けたDPFをつけているということでございまして、いろいろ勉強させていただきますと、DPFの種類の中で、一時的に、一時間に一回程度黒煙をまとめて噴き出すような装置があるということでございます。しかしながら、それも基準値はクリアしているということでございまして、全体にならせばオーケーなんでございましょうが、しかしながら、やはり都バスでございますので、都民に大きな犠牲というんでしょうか、ご協力をお願い申し上げました東京都のその都バスが、黒煙を吐いているなどという指摘を受けること自体が、これは本来あってはならないことだと思うんですね。
 その中で、環境局が指定したDPFの認可のあり方に問題があるのかもしれませんけれども、今後こういった--今後、DPFはもう問題にならないとは思いますけれども、こういったときに、率先垂範たる交通局が批判を受けないような装置開発に向けまして、今後は環境局かどうかわかりませんけれども、そういう視点でぜひ今後検討を進めていただきたいというぐあいに思います。また、私は環境委員会に所属しておりますので、この問題に引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 続きまして、都バスにおける危機管理の問題であります。
 十月二十日、台風二十三号のときに、京都の舞鶴市由良川におきまして、国道で水がはんらんし、観光バスでございましたが、三十六人が取り残されて、屋根で過ごすという事件がございました。このときに報道されておりましたのが、バス会社においては運行基準があるというようなことでございましたけれども、東京都交通局では、台風や集中豪雨などのときに道路が冠水した場合、どのように対応しているのか、冠水した場合の対応方法について確認をいたします。
 
 ▼交通局長
 交通局では、台風等による大雨が予想される場合、各自動車営業所の運行管理者は本局と連携をとりながら、運行区域における気象状況や道路状況等の情報収集に努めまして、あらかじめ乗務員に対し危険箇所や注意事項の指示を行っております。乗務員はその指示に従い運行するとともに、道路の冠水等に遭遇した場合は、MCA無線によりまして運行管理者の指示を仰ぎ、徐行、または運行の中止、迂回運行等を行っております。
 
 ▼真木委員
 そのバスを制限する具体的な基準はどのようになっていますか。そして今後見直す予定はございませんでしょうか。
 
 ▼交通局長
 現在の基準では、冠水箇所の水位、路肩の状態、冠水道路の長さ等を考慮いたしまして、運行中止などの運行制限をすることとしております。
 今後とも、異常気象時等の運行制限の基準につきましては、適宜必要な見直しを行いまして、お客様の安全確保にさらに努めてまいります。
 
 ▼真木委員
 今、見直していくということでご答弁をいただきましたが、都道だけでも、冠水で通行どめになっていること、十二年度では十二回ほどございます。また、都バスの異常気象時の処置要綱というのを見させていただきました。風が風速二十メートル以上に達した場合はとか、視界が三十メートル以内の場合はとか、視界とか風速については具体的な数字があるんですけれども、冠水については具体的な数字がございません。これはMCA無線で運行管理者に判断を求めるということでございますが、運行管理者だって、初めてのケースでどう判断していいのかわからない場合、緊急の場合に判断つきかねると思います。ぜひ具体的な数字を挙げてマニュアルをつくっていただきますことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
 
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