東京発世界文化

 このコーナーでは、東京から世界に向けて新しい文化や創造力を活かし活躍する人、企業、ものなどを紹介してまいります。

 今月は、東京都三鷹市にある、三鷹光器株式会社をご紹介いたします。

 この写真は一体何かわかりますか?
大きなドラム缶のようですが、宙に浮いています。これで完成ではありませんが、この後塗装をかけ、みなさんが天文台などで目にする天体望遠鏡の完成です。この望遠鏡技術が原点となり、スペースシャトルに搭載するカメラや、医療機器、産業機器など、「どの分野をとっても精密機器の技術力は世界トップレベル!」という会社が、私達の東京都にあります。

三鷹光器株式会社中村会長と社員

 今回お話を伺わせて頂いた三鷹光器(株)の中村会長は、「物を作るにしても、大学に行くにしても全てにおいて目的をもって進む事が大切です。ただ流れに身を任せているだけではどうしようもありません。私は、小学校4年生までしか出てませんが、刃物を持って誰かがくれば、野生動物にかわります。素早く反応し、考え、対策をうちます。野生動物は、本能的にわかってしまう分けですから、物を発明するのに非常に有利なんですよ。今度は、どういう物を作らなくてはいけないというのが本能的にわかるんですね。本能的にわかる人間、目的をもって考える人間を採用する会社が、絶対伸びて行くと思います。

 うちでは、学歴はいらないというのが採用条件なんです。ただし、自分の顔を書いて下さい、電球を書いて下さい、模型飛行機を作って下さい、という試験があります。作れば良いのだろうなんていう気持ちでは合格しません。機能を果たして、予定通りに飛ぶ。下手ならば努力をする。自分の感じたことを素直に書けばいいし、作ればいいと思います。うちの社員にも素直になってほしいということは、常日頃話しています。そして役に立つもの、みなさんが幸せになるものを作ろうと思っています。私も若いうちから天文台で働いていましたが、毎日が勉強でした。発明で特許を取ろう!なんて都合の良い本はないのですから、全てが自己流で勉強しました。仕事から学ぶ。仕事の合間も、自分で考えて行動する、物を作る。日本は大分裕福になったので、そういう機会も少なくなっているような気がします。スイスは国家をあげての働き者です。義務教育が終わると、必ず社会にでて4年間働きます。その後また学校に行きたい人は、学校に行くしという具合です。そんなスイスに技術はそのうち負けてしまうかも知れませんが、うちはアイディアでは絶対負けません!」と熱のこもったお話をして下さいました。今後はスイスのライカ社と組み、東京都からさらなる飛躍を世界に発信していくようです。

ページ先頭に戻る