四こまストーリー

街で見かけるごく日常的なイメージをもとに、東京の新たな物語をみなさんと一緒につくり上げていく企画。それが『東京四こまストーリー』です。

zooと一緒!春の動物園へ行こう
-動物たちの温もりを肌で感じる春のひととき-

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馬
やぎ
東板橋公園『こども動物園』
うさぎ

 ずは、動物たちのウイットに富んだ小ばなしからご紹介!―都会のねずみが田舎のねずみを食事に招待。都会の豪華な食事を楽しんでいると、何やら物音が??逃げ出す都会のねずみの後を訳もわからずついてゆく田舎のねずみ。物音の原因はそう、何のことはない、都会につきものの人間たち!さて、食事に戻ろうとする都会のねずみに田舎のねずみが一言-「今度はわたしの家に来て下さい。豪華な食事はないけれど、ゆっくり食べられます。心配で味のない楽しみなんてごめんです」 これは、ラ・フォンテーヌの『寓話』のなかの『都会のねずみと田舎のねずみ』のおはなし。せわしない都会生活をシニカルに描いたものなのか、動物たちにとっての人間たちの存在をコミカルに描いたものなのか、解釈はさまざま。でも、果たして動物たちにとって人間は本当に厄介な存在なのだろうか。ラスコ-の洞窟(フランス)やアルタミラの壁画(スペイン)など古代人の絵には必ずといっていいほど動物たちが一緒に描かれている。人間にとって身近なもの、それは高層ビルや通勤電車ではなく、自然であり、動く存在の動物たちだったはず。たとえば、遊牧民のヒッタイト人は馬とのつき合いから馬具として鉄の発明に至ったといわれる。
 なるほど、動物たちってじつはぼくらの生きるテクノロジーの源になる貴重な存在なのかもしれない。となれば、さっそく動物たちに会いに行ってみよう!山でも川でもいい。あるいは現代における動物たちとの接点の場「動物園」だっていい。とにかく、動物たちの愛嬌あるしぐさ、ユニークな動きを見てみよう。忘れかけていた動物たちへのあこがれがぐっとわいてくるはずだ。たとえば、ここ板橋区の東板橋公園にある『こども動物園』も気軽に動物たちと触れ合うことのできる場所としてお薦め。入園無料というのも超うれしい!。うさぎやひつじ、やぎなどが放し飼いのほか、モルモットの抱っこコーナーもある。なかにはフラミンゴやクジャクなんかも登場したりしてちょっとエキゾチック!子供たちの人気の的はポニーの乗馬体験。都会のなかで馬との一体感を味わえる貴重なひとときを楽しんでほしい。アクセスは都営三田線「板橋区役所前」駅から徒歩10分。
 じかに動物たちと触れたときのあの不思議な感覚はどこから来るのだろうか。どこか初恋のときの気持ちに似ている感じがしないでもない。動物たちの鼓動に耳をすましてみよう。素直な気持がふっとわいてくるはず。春のポッカポッカ陽気のもと、動物たちの温もりを肌で感じるひとときを是非とも過ごしてみてほしい。


写真:武居 英俊/文:麒 麟