四こまストーリー

街で見かけるごく日常的なイメージをもとに、東京の新たな物語をみなさんと一緒につくり上げていく企画。それが『東京四こまストーリー』です。

03年は333でフィーバー、大当たり!
東京三景「東京タワー」で新年を祝おう

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年あけましておめでとうございます。
 21世紀に入って3年目の2003年。東京にとって粋でいなせな、めでたい年であることを願いたいもの。とくに今年は03年と、数字の「3」がもつリズムの良さ=縁起の良さが輝く予感でいっぱい。割りきれないから“永遠”を意味するなど、どこか縁起のいい数字だ。たとえば、お正月といえば三が日、初夢は“一富士、二鷹、三なすび”と、身の回りには3で括られるものがじつに多い。というわけで、今回の東京四コマストーリーは03年の3にあやかって、東京で一番縁起のいい、めでたいものをご紹介しよう。
 さてさて“昭和33年(1958年)!”、“高さ333m”と、まるで大当たりのフィーバーのように並ぶ3の数字。いったい何のことかおわかりでしょうか。そう、みなさんおなじみの「東京タワー」のこと。古典建築として代表的な塔といえば奈良の法隆寺「五重塔」。近代建築として“鉄の時代”を呼び起こしたのがパリの「エッフェル塔」(1889年。高さ約320m)。そして、モダン建築の幕開けとしてエッフェル塔よりも高く造られたのがこの東京タワーだ。ちなみに3という数字の並びは、関東エリアに電波を送るうえで必要な高さが偶然にも333mと、まさしく偶然の一致というから何とも不思議なもの。
 そんなラッキーナンバーの東京タワーだが、昨年、ある記録を樹立している。平成10年には日本の人口約1億2000万を超える来塔者として1億3000万人を達成したが、昨年はなんと1億4000万人を突破!今年は新たな記録樹立に向けて完成以来5年に一度に行われるお化粧直しをちょうど済ましたところだ。
 赤くみえるあの外観、じつはインターナショナル・オレンジと呼ばれるおしゃれな配色で彩られている。まさしく東京の街を優しく見守り続ける炎のようだ。初詣に縁起をかついでちょいと東京タワーを登るなんていうのもいい。東京タワーを丸ごと眺めたい方には、オランダ坂、増上寺、御成門、三田、六本木あたりが絶景スポットとしておすすめ!東京三景なんていうのを考えたら、きっとその一つに数えられるのでは。しかも、この塔には特別な伝説があるのをご存知だろうか。その名も“消灯伝説”! 東京タワーをオレンジ色に輝かせるあのスポットライトは午前0時に消灯となる。じつはこの消灯の瞬間を恋人と一緒にみると、そのふたりは幸せになれるという。ん~なかなかロマンティックな伝説だ。
 新年を迎えた東京を一望したあとは、刻々と流れる時間を惜しみながら消灯伝説で締めくくる、そんなロマンテックでホットな新年の夜を過してみてはいかが。


写真:武居 英俊/文:麒 麟