平成14年第1回定例会各会派討論

外環建設を進める前に
都民生活に見合った施策を

福士敬子

(無)自治市民 福士敬子

 自治市民’93として、第1号議案一般会計予算ほか33議案に反対の立場で討論いたします。
 順不同ですが、まず、外形標準課税の控訴について申し述べます。
 今回の敗訴について、知事及び行政側のコメントをテレビで拝見し、本当にがっかりしました。
 「情念的・感情的」というコメントこそ情念論です。また、「国民の意思を無視した」と言われましたが、国民の意思があれば、無法をも通すのが正義なのでしょうか。
 外形標準課税条例は論理的組立てを怠っていたからこそ、違法とまで判断された意味すら理解させていないことに、恐れを感じます。
 さらに行政側は、今回の敗訴の根源が、学識経験者まで含めて、論理的議論を無視したことにあり、それを顧みることなくして控訴しても、勝訴の保証はなく、その費用に関して更なる税金の投入のみに終わる可能性もあります。
 徴税権は権力です。いかに自治体の裁量といえども、最大限論理的矛盾をなくすべきです。
 私は、過失責任まで問われた判決に対し、適法であることを論破するべく洗い流しもぜず、情念論での控訴に反対します。
 次に、一般会計については、重要施策について、これだけ逼迫した財政の中で、相も変らぬ大型公共事業優遇、経済至上主義による環境破壊の恐れを考慮しないままの事業が並んでいます。自らの環境破壊によるつけを払うため、一方で環境保護策を実施するという、いわば「二重投資による保護対策」の型を一日も早く転換すべきです。
 国の事業といえども、大型ダム開発や1km1000億円もかかる外環建設を進める前に、都民生活の実態に見合った施策を優先し、国に対しても理性を持った発言をしていくべきと考えます。
 また、秋葉原の土地売り払いに関しては、新聞等でも疑惑の声が上がるなど、不振を招いています。
 その他、土地収用事業認定審査会では、いま情報公開が進み中、全て秘密会とされるなど、時代に逆行した条例となっています。
 さらに、今期は、病院の統廃合や、いま必要とされている養護老人ホームの廃止など、都民生活に大きく関わる事業が数多く後退しました。討論時間がわずか3分の制限時間の中で、申し述べることができないのは残念に思います。
 最後に賛成はいたしますが、包括外部監査契約については、せっかく外部の目でチェックする新しい制度として期待しておりましたが、90年度の行政監査文を盗用した報告がありました。また、監査項目の重要度が整理されておりません。まず、無駄な事業と公費乱費の大きさを考慮した監査項目を立て、真摯な監査をされるよう求め、討論を終わります。

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