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野鳥保護のPR活動を積極的に推進 (財)日本野鳥の会は、野鳥を中心とする自然環境の保護、野鳥保護思想の普及教育、野鳥に関する調査と研究を目的として活動してきた。 会は、これらのプロモーション活動が人類の存続と幸福にとって不可欠であるという認識に立ち、ユニークな活動を続けてきた。 創立は1934年。70年には財団法人としてスタートした。 全国の支部では、山野や水辺で野鳥や自然に接し、野鳥の美しさ、大切さを実際に体験するための探鳥会がたびたび開催されている。特に5月10日からの「バードウィーク」や11月1日からの「バードウォッチングウィーク」には、全国一斉探鳥会をはじめ、展示会、講演会、映画会などを開催して野鳥保護のPRに努めている。さらに、行政や企業が行なう野鳥保護や自然保護の活動にも、積極的に協力してきた。 野鳥をとりまく環境は年々悪化してきたが、日本野鳥の会では、野鳥の密猟問題や重要な野鳥の生息地保護といった、野鳥に関連した全国的な自然保護問題について、全国各地の支部におけるさまざまな地域活動と連携してスピーディーに対応してきた。 ここ数年話題になっている諌早湾の環境問題に関しては、長崎県支部を中心として有明湾の再生を求めて、地道に環境保護・調査活動を推進してきている。 |
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自分も自然の仲間という感覚が大切 「会では、社会的な関心が高く、かつ緊急性のあるテーマについては、重点事業として3年間、場合によってはそれ以上の長期にわたって取り組んでいるテーマもあります。私どもとしては、みんなが自分も自然の仲間であるという意識や感覚を持つことによって、野鳥たちの存在と自然の大切さをもっと当たり前のこととして理解できるようになってくれたら嬉しいですね。自然を守ろうという声が大きくなっていくことが大事なことです。そのためにも野鳥のすばらしさや魅力をもっとたくさんの人たちに気付いてほしい。手始めにぜひ、私どものホームページにアクセスしてほしい」と事務局の小板さんは語った。会のコンセプトである「自然との共存なくしては人類の未来はない!」ということは、21世紀に入って、多くの人たちが少しずつ自覚しはじめてきたといってもいいだろう。 |
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野鳥の保護にかかわるさまざまな調査 日本野鳥の会では1997年、東京都日野市に「鳥と緑の国際センター」を設立。 このセンターでは野鳥の保護にかかわる各種の調査・研究を進めている。さらに、国際協力についても、国境に関係なく渡る野鳥の保護のために「バードライフ・インターナショナル」のパートナーの一員として、アジアの国々の自然保護運動へのサポートを積極的に実現している。調査に必要な双眼鏡や図鑑をはじめとした調査研究物品・資料の提供や、共同調査・研修会による人材育成、国際会議や情報交換によるネットワークづくりなど、具体的な行動によって国際協力事業は活発に進められている。 「鳥と緑の国際センター」は別称「WING」ともいい、アジアの自然保護の拠点にもなっている。20年ほど前に「日本とアジアの自然保護の拠点となる施設がほしいね」と会員たちの間から声が上がり、その後、個人、企業、団体から寄せられた約3000件の寄付によって、その声が実現したのがこの「WING」であった。 |
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野鳥との間にもルール&マナーを 環境保護といっても、さまざまな問題が山積していて一言ではいい切れない。自然保護から、ゴミ問題、地球の温暖化現象等々、何か始めなければという志を持ったとしても、一面的に取り組むと全体的にみたときに環境バランスを崩すなど賛否が別れることもある。 たとえば、環境保護や改善のために植林を行なうことがあるが、これもどこにどのような木を植えるかによって、その地域に棲む生きものに悪影響を与え、ときには生態系を壊してしまうという深刻なケースも報告されているという。 人間の気紛れな餌付けによって、殖えすぎた動物から被害を受けたといって敵視、問題視するケースが最近かなり増えてきているが、野鳥にもこのようなことが起こらないように、「バードウォッチングに際しても、自然のしくみや野鳥たちの暮らしを邪魔しないルール&マナーをしっかりと理解した上でスタートしてほしい」と会では訴えている。 かつて人間は、野性の動植物と適度な距離をおきながら上手につきあってきた。 しかし、森林伐採や干潟の埋め立て、河川の護岸工事などで自然環境を人間の都合のいいように造り替えてきた。そのことによって生活圏や食料を失ってきた動植物たちは、絶滅したり、極端に減少したり、あるいは餌を求めて人里におりてきた。 最初は珍重して餌付けしていた人間も、その数が殖えて被害が発生し始めると、今度は一転「環境破壊の原因」のように、処理することを求めるようになる。もとはすべて人間に責任があるにもかかわらずである。 「人間も、地球というシステムの中に生かされている一存在であるということを、もっと謙虚に受けとめ、共存していくために何ができるのかみんなで考えたい。そのためにも、もっとたくさんの人に活動に参加してほしい」というのが会の願いだ。 |
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サンクチュアリを広げていく活動 かけがえのない自然を子どもたちのために残すため、野鳥とその生息地を守っていくことも会の大きな活動のひとつである。「サンクチュアリ計画」の推進とは、野鳥をはじめとした野生生物の保護のために一定の土地を確保し、そこに配置された会のレンジャーがその土地の管理保全にあたるとともに、訪れる人々に自然のすばらしさや大切さを体験したりしながら理解してもらう自然保護の拠点でもある。1981年5月、日本で初めて北海道苫小牧市のウトナイ湖に会直営の「ウトナイ湖サンクチュアリ」を開設した。現在では全国10数か所の施設にレンジャーを配置している。 この他、北海道東部のタンチョウ繁殖地を中心に、会独自の野鳥保護区の設置も進めている。これらの保護区は、寄付などの財源をもとに会が土地を買い取り、恒久的に保護をはかるもので、レンジャーの配置や教育的活動は行なわず、生息地の保護のみを行なっている。こうした活動の積み重ねにより、ウトナイ湖サンクチュアリ周辺の貴重な生態系を直撃する千歳川放水路計画が1999年4月実質中止になった。保護区を大規模公共工事から守ったのだ。17年間に渡り全国の支部、各地のNGOと連携して運動を続けてきた大きな成果である。 |
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地球は、人間だけのものではない こうした活動の財源は、当初は寄付のみであったが、バードウォッチングのための道具、双眼鏡などを販売するショップも開設した。販売するアイテムは徐々に増えていき、最近では書籍・雑誌(会で出版したものが主)、Tシャツ、アクセサリー、カレンダー、雑貨等、多彩な品揃えで、活動のための資金調達の一部を担っている。 大空を自由に羽ばたく鳥は昔から人間の憧れの存在だった。その鳥たちが自由に飛び回れる環境を守っていくことは、結局、私たち人間が気持ち良く暮らしていくことに通じるはず。地球は人間だけのものではない!ということを改めて考えたいものだ。 |
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■(財)日本野鳥の会 今後の活動予定 随時自然観察会や講演会等を開催 ●TEL.03-5358-3513 ●http://www.wbsj.org/ |
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