今回、臨海副都心開発事業会計が埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計と統合されることになった。
知事は、今回の施政方針で「社会情勢の見通しを誤ったために採算の悪化した事業が多く残されており、責任ある都政運営を行うには、そうした問題を包み隠さず都民に明らかにすることが何より重要」と表明している。ところが、臨海副都心開発事業では、財政基盤の強化というだけで、3会計統合が行われた。少なくとも統合するに当たり、私の一般質問でも包み隠さずお答え頂いたとは思えない。
知事の施政方針がどの様に論理的であっても、実際の行政運営がその通りになっていない矛盾は、大きな問題といえる。
また、青少年健全育成条例の「改正」のように、個々人または各家庭における精神の自由、自己判断、自己管理にゆだねるべき問題を、行政により規制で処理することへの疑問も大きく残った。すぐに無菌培養型社会への移行に結びつくとは思わないが、問題を隠せば安心という論理展開に違和感を覚える。今の社会で問われているのは、どの様な場面に出会っても、自己判断、自己管理を行うことのできる大人になれるかだと思う。
すぐにキレる青少年だけでなく、すぐにキレる大人、わが子を虐待する親、性犯罪等いずれも大人となっても、自分で判断できず感情のままに動く人々をつくってきた社会であることを忘れてはならないと思う。様々な規制でおさえるのではなく、どれだけゆったりした教育、豊かな人間関係をつくれる社会にするかを考えるべき時だと思う。
最後に知事の発言については、度々の忠告がありながらその理解が薄いことは問題だ。
先の本会議場で知事は、私の質問に対し「バブル期にあなたを含めた日本人全体が浮かれていた」と事実に基づかない発言をされたが、当時のバブル経済の構造そのものに関して警鐘を鳴らしている人々は、私だけではなくマスコミ関係者や学識経験者などにも、少なからずいた。知事には、このような様々な意見に耳を傾けた上で、正しくリーダーシップを発揮してほしいと考えている。
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