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予算特別委員会 各会派の討論(要旨) 3月27日

村松 みえ子(日本共産党)


   税収増を活用してくらし・福祉最優先の予算を

 私は、日本共産党都議団を代表して、第1号議案「平成13年度東京都一般会計予算案」外9議案に反対、予算組替え動議に賛成の立場から討論を行います。
 戦後最悪の不況に都民が苦しんでいるときに求められたのは、都税の増収を活用して、都民のくらし、福祉を最優先に予算を編成することでした。
 しかし、提案された予算案は、シルバーパスの全面有料化などの段階的廃止という福祉切捨て実行予算であり、その是非が、当予算特別委員会で鋭く問われました。
 知事は財源不足を理由に、これらの経済給付的福祉切下げを行いましたが、わが党が示したように、今年度と来年度での都税の増収などによって財源不足は生じないことは明らかであり、これに基づいて計画された福祉切下げ計画を見直すことは当然の道理です。
 また、都は福祉施策の切下げを行うに当たって、わが党は質疑を通じて、制度が果たしている今日的役割など、改めて掘り下げ、本格的高齢社会を迎える上で、むしろ拡充こそが急がれていることを明らかにしました。
 シルバーパスの全面有料化では、これによって家の中でのひきこもりが多くなるなど深刻な事態が生じました。
 にもかかわらず、知事が福祉を元に戻して欲しいという願いに背を向け続けていることに、怒りの声が寄せられるのは当然です。
 保護を受けずにわずかな年金収入でも自立して生きている高齢者に支援を強めることこそ行政の役割であります。
 また、「福祉改革推進プラン」で示された障害者施設整備などの充実については、わが党は評価しつつも、東京が全国主要都市と比べても、介護基盤整備などで大きく立ち後れていることも指摘しました。
 スタートして1年を迎える介護保険制度についても、わが党は、保険料・利用料の減免を中心に、解決が迫られている問題について質しました。
 わが党は、引き続き、国政の場でも保険料・利用料の減免の実現に努めるよう、求めていくものです。
 来年度予算案で問われたもう一つの問題は、大型公共事業に偏った税金の使い方を改めるかどうかでした。
 この点について、わが党は昨日の質疑で、臨海副都心開発の問題を取り上げ、土地利用が進んでいないことなどの指摘に対して、知事はその現状を認めました。
 計画を凍結して、抜本的に見直しを行うことをわが党が求めることは当然であります。
 また、都財政を大きく圧迫している汐留や環状二号線などの都市再開発、幹線道路などの大型公共事業の見直しも緊急の課題であることを指摘しておくものです。
 また、首都高速道路公団への無利子貸付金や国直轄事業負担金など、本来、東京都が負うべきでない支出を適正化することで、切り捨てられた福祉を元に戻すことや、介護保険の減免に踏み出すことが十分可能であることも、質疑を通じて明らかにされ、知事も是正する旨答弁がありましたが、早急に改善を図られるよう要望しておくものです。
 長びく不況とリストラのもとで、都民のくらしと営業は厳しい毎日を強いられています。知事は、与党3党の「緊急経済対策」について、国において議論すべきとの趣旨の発言をしましたが、その内容は、日本経済を立て直す上で欠かせない個人消費の拡大のための措置はとられず、「株買上げ機構」や「不良債権処理」など大企業、ゼネコン救済の色彩が濃いものであり、また、「都市再生」による新たな公共事業の拡大が盛り込まれているもので、都政にも深く関わりを持つものであり、無関心であって良いわけはありません。
 日本共産党は「消費税増税」「社会保障改悪」「大企業のリストラ支援」という失政を告発するともに、「消費税を3%に引き下げ、国民の消費購買力を直接応援する」、「社会保障の連続改悪を凍結し、将来不安をなくす」、「リストラを押さえ、中小企業を支援する政治で、雇用危機を打開する」という3つの分野での転換を提案しています。
 都政においても、こうした立場から都民生活を支援することが急がれています。わが党が提案している来年度予算案の組替え動議は、以上の立場を踏まえるとともに、切り捨てられた福祉を元に戻すこと、介護保険の減免に踏み出すことを中心に、青年の雇用確保のためのフリーター支援や、工業や商店街の生き残り支援、子どもたちに基礎学力を保障するための30人学級への準備予算、私学助成などを盛り込んだもので、大型公共事業の予算を抑制し、全体として予算案の2.9%を充てることで、都民施策を守る方向に踏み出せることを示したものです。各会派のご賛同を求めるものです。
 最後に、この予算特別委員会で、繰り返し公党を誹謗する発言が行われたことについて、申し述べておきます。
 シルバーパスや銀行課税、ディーゼル車規制については、わが党が提案した趣旨が、その後の施策として生かされたことから、わが党の提案が道理のあることは明らかなことを申し上げて、討論を終わります。

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