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第1回定例会・各会派の討論(要旨)

藤岡 智明(日本共産党)


   大型公共事業に偏った税金の使い道を転換せよ

 日本共産党を代表して、第1号議案「平成13年度東京都一般会計予算」外、27議案に反対し、討論を行います。
 本予算議会で問われた最大の問題は、戦後最悪の不況、リストラ、社会保障の改悪などから都民生活をどう守るのかであり、知事が提案した来年度予算案についても、こうした立場から、福祉を守る方向へ切り替えるかどうかでした。
 こうしたもとで、わが党は、福祉最優先の予算実現のために力を尽くすとともに、とりわけ、高齢者や障害者の命綱となっている、老人医療費助成や重度障害者手当などの福祉の切捨てを元に戻すことを求めてきました。
 質疑を通じて明らかになったことは、第一に、来年度の大幅な税増収によって、都が福祉切捨ての最大論拠としてきた財政不足が成り立たなくなったことです。財政再建推進プランが4年間で不足するとした2兆1,000億円について、大幅な税増収などによって、解消されることはわが党の試算によっても明らかです。
 第二に、「経済給付的事業は時代遅れである」などという言い訳についても、福祉切捨てから1年が経過した時点で、高齢者の引きこもりなどが生まれている現実など、都の言い分の道理と根拠のなさが、浮き彫りになりました。
 この点で、予算案自身が、わが党が求めてきた乳幼児医療費助成を就学前までに拡充したこと自体に、経済給付的事業が東京の福祉に大きな役割を果たすことを証明しているのです。
 介護保険の減免についても、わが党が都としての対応を求めるに至りました。区市町村での減免は、本会議中にも増え続けました。こうしたもとで、国の特別対策である社会福祉法人などが行う利用料減免に対して、都として独自の支援を行うことが予算特別委員会の場で表明されたことは重要です。これは介護保険について支援を行うことが、自治体として当然の仕事であることを、東京都自身認めたものであります。
 来年度予算案で問われたもう一つの問題は、大型公共事業に偏った税金の使い方を改めるかどうかでした。この点で、知事が今定例会中に、与党3党に要望した「10兆円の緊急対策」は、流れに逆行するものであり、認められません。
 また、汐留や環状二号線などの区画整理、都市再開発などの投資型経費がバブル前の2倍に拡大していることを明らかにするとともに、大型公共事業に偏った税金の使い道を転換を求めましたが、知事はこれを拒み、公共事業の見直しの流れに背を向ける姿勢を示しました。
 知事提案の来年度予算案が、都民のくらしと福祉を守るという点でも、公共事業のあり方を見直して、都財政立て直しの方向に踏み出すという点でも、都民の願いに応えるものではないことは明きらかです。
 わが党が予算特別委員会に提案した、来年度予算案の組替え動議は、4,800億円の都税の増収を有効に活用し、切り捨てられた福祉を元に戻すこと、介護保険の減免に踏み出すことを中心に、青年の雇用確保のためのフリーター支援や女性財団による男女平等施策の継続などを盛り込んだもので、全体として予算案の2.9%を充てることで、都民施策を守る方向に踏み出せることを示したものです。併せて、大型公共事業を見直すことで、都債発行額を472億円抑制するなど、中長期的な都財政立て直しに踏み出すものであります。
 同時に、都政における浪費と無駄の見直しについて、わが党は建設的で現実的な提案を行い、知事の答弁にも変化が生まれていることは重要です。まず、浪費と無駄の典型である臨海副都心開発について、採算がとれず、更なる都財政投入が避けがたくなることを指摘したことに対して、知事は現状を認めました。現状についての認識は一致しているわけですから、抜本的見直しを求めるのは当然です。
 また、今議会で議論が集中したのが、女性財団の廃止問題でした。わが党の追及によって、女性財団以外のすべての団体には、事前に検討が行われたにもかかわらず、女性財団だけでは、評議員会での検討も求められず、都の一方的判断で廃止を決めたことが判明しました。したがって、廃止方針は撤回し、財団の自主的判断に委ねるのが当然です。なお、付帯決議は、「存廃を含めた検討」という、廃止を是認した内容のものであり、断じて認められません。
 次に、第47号議案、「東京都政務調査費の交付に関する条例」については、政務調査費の支出をガラス張りにするために、収支報告書に領収書などを添付する修正案を、財政委員会に提出しましたが、反対多数で成立に至りませんでした。これは都民の批判を免れません。
 第68回国民体育大会招致に関する決議案については、競技施設が圧倒的に不足しており、国体を安易に招致することは、自治体の財政を苦しめるもので、反対するものです。
 最後に、今定例会を通じて繰り返された公党を誹謗し、議会の品位を汚す発言についてです。知事が、予算特別委員会で委員の質問に答えて行った発言は、公党を誹謗するもので、知事に発言の撤回と謝罪を要求しておきます。
 わが党は国民が求める奇麗な政治の実現へ全力を尽くす決意を表明して討論を終わります。

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