平成十二年第三回定例会は、知事提出案を採択して、本日終了した。
本定例会への提出議案の大宗は、国の法改正に伴う条例整備であり、新たに制定が求められた、いわゆる「ぼったくり条例」などの新条例案についても、必要性が認められるところで、都議会無所属クラブは、知事提出の全議案に同意したものである。
本定例会の論議は、もっぱら、定例会直前に発表された「東京構想二〇〇〇・中間のまとめ」に集中した。
「東京構想二〇〇〇」では、中間のまとめということもあり、東京圏としての発展を希求する知事の思想は理解できるが、総花的にすぎず、将来に向けての東京再生へ具体論の欠如を指摘したところである。
なかでも、本構想の目玉の一つであろう、「環状メガロポリス構造」における、多摩地域の位置付けの認識に欠けていることを強く指摘、将来に向けての多摩地域の育成について改めてただし、区部との格差是正、多摩地域の自立性の向上に向け、前向きな答弁を引き出したところである。
田無市、保谷市の対等合併による西東京市の誕生を心から祝したい。また、市町村合併の意義や効果について、分かりやすく住民に対し、積極的に情報提供するよう、強く要望したところである。
知事の提唱する「心の東京革命」は、都議会無所属クラブの主張する教育改革と基を一にするもので、将来の東京を担う、青少年の健全育成に向け、積極的な施策を強く主張したところである。
環境ホルモンに加え、合成性ホルモンの流出が、自然の生態系に悪影響を及ぼす調査結果が民間の研究グループから発表されていることを指摘し、環境ホルモン問題の調査研究と対策のより積極的展開を求めたところである。
東京の大気汚染、ヒートアイランド現象の問題は、深刻化の一途をたどっており、その主要因である排気ガス対策の強化などが急務である。同時に公園整備、緑地確保等東京の緑化推進は、それらの問題の解決と生活環境の改善に欠かすことのできない要件であり、関係の意見書、決議の成立に力を尽くしたところである。
石原知事が、夫々の質問者に、自身の言葉で答弁しようとする姿勢には好感を持っているが、時として公人としての立場を逸脱し、「私」の立場の発言のあることは、遺憾であり、苦言を呈しておきたい。
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