奥多摩で紅葉をバックに渓流釣り
芸術の秋も食欲の秋も堪能しよう
日本の秋を優美に彩る紅葉の季節。燃えるように赤く染まった葉っぱたちが山々を覆い尽く
す景色は、まさしく自然の織りなす壮大な芸術作品。なるほど、芸術の秋にふさわしく、もみ
じ狩りというものもいい。ぐ~?なになに、おなかが空いたって?紅葉もいいけれど、食欲の
秋にはかなわないか。そんなわけで、今回は紅葉を観賞しながら、食欲の秋を十分に満喫でき
るお薦めスポットをご紹介しよう。
場所は山と水の恵みあふれる奥多摩。11月の奥多摩といえば、もみじ狩りには最高のロケー
ション。しかも、渓流釣りに挑戦して、ニジマス、イワナ、ヤマメを釣り上げれば、食欲のほ
うもバッチリ。つまり、芸術の秋と食欲の秋が同時に満喫できるというわけだ。そう、奥多摩
には大人から子供までダイナミックかつスリリングな渓流釣りを楽しめる場所がいくつもある。
東京近郊とあって、車でも電車でも気軽に立ち寄れるアクセスの良さがうれしい。
都心からちょっと離れるだけで目の前に広がるのは、優しい清流のせせらぎ、冬を目前に控
えた森林の静けさ、そして赤く情熱的に輝く木々の葉っぱたち。自然という芸術家のなせる技
をじっくりご堪能して頂きたい。冬支度を始めるリスがひょっこり顔を出すなんてこともあっ
たりして。一方、やっぱり食欲のほうが気になる!?なんて方もご安心を。青梅線沿線には、
大丹波川や日原川などの美しい河川に有名な釣り場がいくつか開設されている。釣り竿を持っ
たことのない方は常設の釣り場がお薦めだ。
もちろん常設の釣り場を選ばず、自分なりのお気に入りの場所を見つけるというのも釣りの
醍醐味。ありのままの自然の中で釣りを楽しむには、実は場所なんてあまり関係ない。たとえ
ば、青梅線沿いのとある橋の下なんて意外と穴場だったりするもの。釣り竿1本ありさえすれ
ば、清流のさわやかなせせらぎが、あなたを立派な“太公望”(釣り人)として迎えてくれる
はずだ。
釣りを愛した作家のひとり、開高健が釣り人の心得として大事にしていた言葉がある。“ST
UDY TO BE QUIET”-おだやかになることを学べ-。みなさんも、奥多摩の燃えるような紅葉
をバックに釣り糸を垂れながら、心おだやかになることを学んでみてはいかがだろうか。
文/麒麟 写真/武居 英俊 |