(四) 調査概要
1神津島
消防庁ヘリコプターにて神津島空港到着後、直ちに神津島村役場を訪問し、東京都議会などからの見舞金を贈呈した。
神津島では頻発する大規模地震等により、家屋の破損や道路の陥没・亀裂、水道管の破裂など、島の生活関連施設に甚大な被害が発生し、住民生活に大きな影響が及んでいる。また、ゴミ焼却場に通ずる道路の損壊等により、現在もなお、ゴミは新島村に処分を依頼している。現時点での島の被災総額は、村道などの公共土木施設を中心に三四億円にのぼるものと推定され、平成十二年度の村の予算額二四億円を大きく上回る規模となっている。島の西部の前浜周辺の崩落現場では、急斜面に巨大な岩石が多数露出し、今後の復旧に当たっては、二次災害が懸念される状況であった。
2式根島
神津島から式根島に向かった。
新島村の一地区である人口六〇〇人余の式根島も、今回の地震災害で住居やブロック塀の破損、崖崩れ、水道管の破損など大きな被害を受けた。
式根島小学校においては、住民の避難所として使用予定であった体育館の屋根が破損し、現在もなお修繕の途中であった。
3新島
式根島から新島に向かい、新島空港到着後、新島住民センターにおいて、東京都議会などからの見舞金を贈呈した。
新島では頻発する大規模地震等により、若郷地区を中心に道路の陥没・亀裂、水道管の破裂、民家の破損など大きな被害が発生し、現時点での島の被災総額は、村道などの公共土木施設を中心に、三八億円にのぼるものと推定され、平成十二年度の村の予算額二九億円を大きく上回る規模となっている。
島の東部の檜山の大崩落により、新島本村地区と北部の若郷地区は通行不能となっており、現在もなお両地域間の主な交通手段は、漁船の運行に頼っている状況にある。当現場の崩落は極めて大規模であり、二次災害の危険性も高いことなどから復旧は難航している。
二 調査活動総括
都は、去る七月に神津島村と新島村に災害救助法を適用し、応急対策及び復旧・復興対策に向け、適切な措置を講ずることとした。
今後、二次災害等の発生に対する万全の備えと並行して、観光・農業・漁業など地域の基幹産業の復興や生活基盤の復旧に必要な財政措置を講ずる必要がある。
都議会においては、本調査団の調査結果を踏まえ、被災した島民の方々の生活の立て直しに向け、速やかに適切な措置を講ずるよう関係機関に強く要望していきます。
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