第一日目は、広島市内に到着後、路面電車を大幅に機能向上させたLRT(ライト・レール・トランジット)に一般の乗客と一緒に乗車いたしました。
緑多い広島市の景観を考慮し、高齢者や障害者にやさしい超低床の車両が導入されていました。LRTは、次世代の都市内交通としても、その役割が期待されています。
また、拡大する広島都市圏の交通混雑・渋滞等を緩和するため高架式の新交通システムであるアストラムラインにも乗車しました。
その後、広島市議会の会議室で広島都市圏における公共交通の現状と課題、また、今後の計画や事業費等について広島市の担当者から説明を受けました。都の事業として、多摩都市モノレール、ゆりかもめ等の事業を行っていることもあり、とりわけ、延伸計画や収支状況等について活発な質疑が交わされました。
都市づくりを進めるにあたって、交通網の体系的な整備をはじめとする都市基盤の整備は、広島市と同様に都においても重要なこととして位置付けられています。
次に、広島市段原再開発事業について、現地視察を行いました。
段原地区は、広島市のデルタ市街地の東部に位置し、東北部は猿猴川、西部は、比治山など豊かな自然に囲まれています。そのため、戦災から免れ、旧来の市街地形態をそのまま残し、木造家屋が密集した地区となっていました。この地域は、防災上、衛生上等の問題が指摘され、広島市の「第三次広島市基本計画」に基づいて、良好な都心住宅の形成を目指したまちづくりを行うこととなりました。
その結果、貴重な自然資源を生かした、古い街と新しい街が調和したまちづくりが進められました。特に、地域住民の代表者からなる「段原地区まちづくり委員会」を組織し、その意見を反映した個性的で魅力的なまちづくりを行うために、基本方針を定め、これにそって官民一体となった事業が進められたそうです。
木造密集地域における住環境の整備は、都においても重要課題の一つであり、区市町村との連携を図るとともに、その実現に向けて一層の促進に努めているところです。
映像等を交えた説明や現地視察を通じて、まちづくりの計画や支援制度等に対して、質問が相次ぎ、熱気あふれる意見交換が行われました。
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