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都市・環境委員会

委員長 尾崎 正一(民主党)

 便利で快適な日常生活やそれを支える各種の事業活動は、大量のエネルギーを必要とします。そして現在、消費エネルギーの大部分は、石油等の化石燃料に依存しています。
 化石燃料の燃焼に伴い排出されるCO2、NOx等は、地球温暖化や酸性雨の主要な原因となっており、解決していかなければならない重要な課題の一つです。
 環境行政を所管する都市・環境委員会は、去る七月二六日、二七日、岩手県の松川地熱発電所及び葛巻町を訪れ、「新エネルギーの導入状況について」をテーマに管外視察を実施いたしましたので、その概要をご報告いたします。

松川地熱発電所

 第一日目は、まず、岩手県庁を訪れ「岩手県新エネルギービジョン」について説明を受ける予定でしたが、東北新幹線の車両故障に見舞われ、盛岡駅到着が約三時間遅れたため、県庁訪問を断念し、次の視察地である日本で最初に造られた松川地熱発電所に向かいました。
 松川地熱発電所に到着後、会議室で地熱発電の仕組みについて説明を受けました。
 地熱発電は、地層中の亀裂に貯えられている高温高圧の熱水を掘削によって蒸気の形で取り出し、その蒸気で発電を行うもので、火力発電のように蒸気をつくるための石油などの燃料が不要です。また、発電する際放出されるCO2も火力発電の一〇分の一から二〇分の一というクリーンなエネルギーです。
 多くの火山を有する日本においては、今後、さらに研究を重ね、有効活用していくべきエネルギーであると実感いたしました。
 説明の後、委員からは、発電にかかるコストや、東京都での展開の可能性についてなど活発な質疑が行われ、その後、実際に発電施設を視察し、詳細な構造についても質疑が交わされました。

袖山高原の風力発電施設

 第二日目は、葛巻町を訪れ、はじめに袖山高原の風力発電施設を視察しました。この施設は、第三セクターが事業主体となり、新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助金を活用して建設されました。現在、三基の風車が稼働し、ここで作られた電力は、町内に供給されているとのことです。折しも、八月下旬から「全国風サミット」がこの地で開催されるとのことで、風力発電が全国的にも注目されていることを実感いたしました。
 次に、葛巻中学校太陽光発電施設を視察いたしました。グランドの南端に設置した太陽電池モジュールで発生した電力を、同中学校の昼間に消費する電力に充て、余剰電力は電力会社に売電しているとのことでした。また、校舎の壁面に表示装置を設置して発電の状況等を示すことにより、そこで学ぶ生徒やその家族に対して環境保全やクリーンな新エネルギーへの関心を高め、啓発するという環境教育の役割も果たしていました。
 最後に、葛巻町畜産開発公社を訪れ、葛巻町長及び葛巻町議会議長から説明を受け、意見交換を行いました。同公社では現在、「葛巻町新エネルギービジョン」の一環として、バイオガス発電の研究に取り組んでいました。
 新エネルギーの導入を町の重要施策と位置付け、「新エネルギーの町・葛巻」を宣言し、総合的に推進している葛巻町の積極的な姿勢に、委員からも活発な質疑が相次ぎ、予定の時間をオーバーするほどの熱心な意見交換となりました。
 以上、限られた日程の視察でしたが、他の自治体の先進的な取組を直接見て、話を聴くことができたことは、本委員会にとって大変有意義であったと確信しております。

都市・環境委員会管外視察
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