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財政委員会

委員長 白井 威(自民党)

 本年四月から地方分権一括法が施行され、中央集権から地方の時代へと一歩踏み出しました。しかしながら、財源移譲については、長期的な課題として先送りされました。また、地方税収も伸び悩み、どの自治体も、財政問題に苦慮しています。このような中、限られた財源をいかに有効に投入していくのか、すなわち、どの施策に重点を置くべきかについて、徹底した検証が求められています。
 施策の決定に際し、ここ数年、活用されているのが行政評価制度であります。現在、都では、東京都政策指標「東京チェックアップリスト」の導入が準備されているところです。
 さらに、住民への説明責任を明確にするために、パブリック・コメント制度の導入に踏み切った自治体も出てきました。パブリック・コメント制度とは、「重要な政策の立案に当たり、その趣旨、内容その他必要な事項を公表し、広く国民の意見を求め、これを考慮してその決定を行う仕組み」であり、国では昨年四月から制度化されています。
 財政委員会では、先駆的な取組をしている他県の状況を調査するために、去る七月二六日、二七日、行政評価制度の実績があり、パブリック・コメント制度を導入した滋賀県、福井県の両県を訪れました。

滋賀県民政策コメント制度の仕組み

1.県が計画や条件案の原案を作成します。
        
2.原案を県民の皆さんに公表します。 
        
3.皆さんに検討いただき、ご意見・情報等を提出していただきます。
        
4.寄せられた意見・情報を県で検討します。
        
5.最終決定後、検討結果を皆さんに公表します。


滋賀県(七月二六日)
 滋賀県総務部松山管理監から、説明を聴取しました。以下、その主な内容を述べさせていただきます。
・滋賀県民政策コメント制度
 平成一〇年十二月の「滋賀県行政改革大綱」で制度化を決定し、本年四月一日に要綱で決定いたしました。
 対象は、(一)県の長期構想、県行政のそれぞれの分野における施策の基本方針の策定、(二)県行政に関する基本方針を定め、または県民に義務を課し、もしくは権利を制限することを内容とする条例の制定等となっています。
・滋賀県施策評価システム
 PLAN―DO―CHECKのマネジメントサイクルに則した行政運営システムの構築と説明責任(アカウンタビリティ)を果たし、県行政の透明性を一層高めていくことをねらいとしています。
 本システムでは、政策の比較評価について「しがベンチマーク」を導入することになりました。
福井県(七月二七日)
 福井県筑後政策企画室長から、説明を聴取しました。その主な内容は次のとおりでした。
・県民パブリック・コメント制度
 平成一〇年十一月に決定した「新行政改革大綱」に基づき、本年四月一日以降の立案に対し、創設されました。
 対象は、(一)政策の基本方針等を定める行政計画の策定、(二)広く県民を対象とした規制・制度の設定、創設または改廃、(三)新規事業評価システムの対象事業となっています。
・政策評価システム
 本年度、「新行政改革大綱」に基づき、四つのシステム(事務事業評価システム、公共事業評価システム、新規事業評価システム、政策効果システム)から成る、新たな評価システムを導入しました。
 両県とも、説明聴取後は、活発な質疑が行われました。パブリック・コメント制度は直接民主制度を補完する機能を果たそうとしているが、議会との関係はどのようになっているのか、また、実際の応募はどの程度あり、内容はどのようなものがあるのか等の質問が次々出されました。名実ともに、分権型社会を築くためには、行政評価制度の成熟化を図るとともに、情報収集の一手段として、パブリック・コメントの活用も検討しなければならない時期に来ていると感じました。
 最後に、県関係者の協力を得て、有意義な調査ができたことをお礼申し上げます。ありがとうございました。

財政委員会
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