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一 調査団派遣の目的 三宅島の火山活動並びに新島・式根島・神津島近海の大規模地震により、被災地となった前記四島を見舞うとともに、現地調査を実施し、今後の関係機関の対応強化に役立てる。 なお、九月一日に全島民に対する島外への避難指示が出された三宅島については、事態の緊急性にかんがみ、他の三島に先行して現地調査を実施した。 二 三宅島調査概要 1.調査日時 平成十二年九月二日 2.団員構成 団 長 都議会議長 渋谷 守生(自民党) 副団長 都議会副議長 五十嵐 正(公明党) 団 員 佐藤 裕彦(自民党) 団 員 川島 忠一(自民党) 団 員 丸茂 勇夫(日本共産党) 団 員 森田 安孝(公明党) 団 員 小林 正則(民主党) |
ア 上空からの目視調査 まず、警視庁ヘリコプターで三宅島上空から島の全容を視察した。 雄山山頂付近は雲に覆われ、噴煙は確認できなかった。 島の樹木は火山灰のために全体が灰白色を呈していた。 道路上に車や人影などはほとんど見られなかった。 イ 島民の避難状況 三宅村災害対策本部は、九月二日の避難指示を踏まえ、直ちに防災・ライフライン要員(約六 〇〇名)を除く全島民の島外避難計画を定めた。 九月一日時点の在島島民は人口三、八五五名中九五六名(約二五%)、離島者は二、八九九名 (約七五%)である。 小中学生や在宅要介護者のほとんどは、既に島外への避難を完了していた。 |
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ウ 島内視察 三宅島空港到着後、直ちに島の東部地域から現地調査を開始した。 人家や車両をはじめ、周囲一面は粘土質の火山灰に覆われ、これま での台風や大雨による大規模な泥流跡がいたる所で見られた。周囲 の沢沿いには大きな岩石が多数流出し、三宅支庁では全島で二〇個 所に応急泥流対策(ワイヤーセンサー設置等)を講じていた。 三池地区の都道周辺一帯は、噴火によると思われる強烈な硫黄臭や 刺激性を帯びた火山性ガスが立ち込め、旺盛な火山活動をまざまざ と実感させた。 |
島の北部、神着地区においては、八月二九日に発生した火砕流の被害跡を視察した。周辺はほとん どの樹木が火砕流の流れた海岸方向に根こそぎなぎ倒され、一面荒涼とした状況を呈していた。 島の北西部の伊ケ谷地区も降灰の被害が大きく、去る八月一八日の第五回目の噴火による降灰厚は 六〇ミリから一〇〇ミリに達した。本地域は陸上自衛隊による降灰除去活動が行われた地域であり、 火山灰を入れた土のうが都道周囲の民家の庭先に積み上げられていた。 島の外周をめぐる都道では、コンクリート製の緊急避難用シェルター(ボックスカルバート)や避 難用コンテナが配備され、シェルターは一八か所、コンテナは三〇か所に及んでいた。 |
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エ 見舞金贈呈及び 被災状況説明・質疑等 被災状況の説明会場となった三宅支庁では、冒頭に渋谷団長よ り、長谷川三宅村長に対して、東京都議会・東京都議会議員一 同、全国都道府県議長会、十二都道府県議長会、関東甲信越一都 九県議長会からの見舞金を贈呈した。 次に、長谷川村長から被災状況の説明を受け、引き続き東京都の 現地対策本部長を務める青山副知事も同席するなか、調査団と の間で質疑・意見交換等が行われた。 三宅村側からは、復旧・復興対策の重要性もさることながら、 当面の最大の課題は、東京に避難したことにより収入の途が絶 たれた多くの島民の日々の生活を、いかに確保していくかという ことである。島を離れては生活ができないにもかかわらず、避難 指示が出たためにやむなく島を出なければならない島民の窮状が 訴えられた。 この他には泥流や火砕流等に対する対策、降灰による畜産業等 への影響、東京における村役場の窓口確保、島内残留者の健康問 題、義援金の活用、今後の噴火活動の見通しや観測体制の強化な ど、当面する諸課題に関し意見が交わされ、三宅村側からは、特 に今回の災害に対する東京都議会の全面的な支援・協力が強く要 請された。 |
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四 おわりに 当調査団は、今般の一連の火山活動や地震災害に対する村当局をはじめ とした、多くの防災関係者の連日にわたる不眠不休のご尽力に対し、心か ら敬意を表します。今後の復旧・復興の道のりは、容易なものではないと 推察されますが、関係者におかれましては健康に十分留意され、更なるご 努力をお願いいたします。 都議会においては、以上のような本調査団の調査結果を踏まえ、被災し た島民の方々の生活の立て直しに向け、速やかに適切な措置を講ずるよう、 重ねて要望し、調査団報告といたします。 ※ なお、神津島・式根島・新島の現地調査については、十一月号にてご 報告いたします。 |
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