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お台場

海上から東京の新名所を一望

お台場で波の静かな調べを満喫

 ぼくの耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ”-これはフランスの詩人ジャン・コクトーの詩
「耳・カンヌ第5節」。なるほど、どこからか春の海の静かな波の調べが今にも聞こえてきそ
うな気がするから不思議だ。というわけで、今回は東京湾の春の海に浮かぶ船の上から、とあ
る東京の街を訪れてみよう。さて、この場所(写真)は一体どこだろう。よ~くみれば、あの
自由の女神”の像が立っている!?となればニューヨークか。いやいやここもれっきとした東
京の街。東京湾に七色の虹のように架かる美しいブリッジが目印といえばもうおわかりのはず。
そう、カップルや若者で賑わうウォーターフロントの街・お台場。とくに都市にあって人工の
美しい砂浜が広がるお台場海浜公園は、波の美しい調べを聞きにくるカップルでいっぱいだ。
 ところで、このお台場、みなさんは新たに誕生した観光スポットだと思っていませんか。じ
つはその歴史は以外と古く、あのペリー来航(1853年)まで遡ると聞けばちょっとびっく
りのはず。浦賀にアメリカの黒船が来航したのをきっかけに幕府が防衛対策として砲台を設置
するためにつくったのがその始まり。もともと、台場とは大名や藩主が火砲を備えた陣屋をつ
くったその陣地のこと。当時の計画では芝浦一帯に12か所の海上砲台(=台場)を設置する
予定だったとか。現在、お台場と呼んでいるのは、第3と第6の2つの台場。当時の面影とし
て海浜公園に砲台の台座がレプリカとして設置されている。
 じつは幕府の日本史と深く関わるお台場だが、現在は、「自由の女神」(レプリカ)やフラ
ンスの彫刻家マルク・クーチェリエによるナポレオン3世の勝利の象徴「自由の炎」の像が立
つなど、東京の新たな観光名所として注目されるウォーターフロントと様変わり。では、この
お台場をどうやって楽しむか。一度は試してみたいのがベイシャトル”。ドイツ製の70人乗
りの無料バス3台が定期的に運行している。お台場全体を知るためには超お薦め!また、シン
フォニークルーズ”で海上から見るお台場もこれからのシーズンには最高。カップルには熱い
恋の物語が出来そうだ。ただし、くれぐれも熱くなりすぎてけんかにならないように。恋のい
さかいまでは大砲で防衛できないそうだ…。
                                 文/麒麟   写真/武居 英俊     
お台場海浜公園までのアクセスはJR新橋駅よりゆりかもめ交通で約12分
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