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兜造りの民家

21世紀の始まりは、東京のふるさと・数馬から

兜造りの民家で“うみゃーもの”をご堪能

 新年あけましておめでとうございます。いよいよ2001年の幕開け、そう、21世紀のは
じまりだ。さて、どんな時代がやって来るのか。携帯電話、インターネット、宇宙旅行と、日
夜、進歩を遂げる現代社会。壮大なスペース・ロマンを描いた映画「2001年宇宙の旅」が
現実のものとなる日もそう遠くはないかも。でも、何か大事なものを忘れてはいないだろうか。
移りゆく時代のなかで変わらないものが必ずあるはず。そう、“ふるさと”だ。というわけで
今回は、東京の原風景を探る2001年の旅に出てみよう。のんびり過ごすお正月にぴったり
の小旅行となることまちがいなし!
 場所は、西多摩郡檜原村数馬(ひのはらむらかずま)。車で行くなら、中央高速・八王子イ
ンターから車で90分(上野原インターから50分)、電車を利用するなら、JR武蔵五日市
駅から西東京バス「数馬行」で約1時間ほど。都会の喧噪を完全に忘れさせてくれる、奥多摩
の静かな谷間にある山村、それが数馬だ。なんでも南北朝時代に南朝に破れ、この地に逃れた
中村数馬の名に地名の由来があるとか。そんな古い歴史をもつ数馬の風景をまずはじっくり堪
能してみよう。点々と顔をのぞかせる古い民家。どこかで見覚えのある、なつかしい光景に思
わずほっとしてしまうはずだ。
 そう、じつは数馬に多く残る民家は、兜造り(かぶとづくり)と呼ばれる昔ながらの建築様
式。兜造りは養蚕(ようさん)を行う目的から生まれたもので、葦で組んだ屋根を下から見る
と、まるで“兜”のようにみえることからその名が付いた。釘をほとんど使わずに木材を組み
合わせて建てるのも特徴のひとつ。通常、家屋は4階まであり、最上階が蚕を飼育する蚕室と
して使われていたという。なるほど、養蚕を生業としていた数馬ならではの光景だが、そこに
なぜかふるさとを感じて、ぬくぬくと心温まる思いがわき上がるから不思議。もちろん、ふる
さとを感じるのは兜造りの民家だけではない。「うみゃー」(おいしい)という数馬独自の言
葉が思わず飛び交う、特産のオイツルイモやコンニャク、沢ガニなど新鮮な山や川の幸に、都
会では味わえないふるさとの味を発見!さっそく、山々の景色を眺めながら温泉につかってみ
よう。あ~やっぱりふるさとはいい。変わることのない大切なものがあることを、数馬の風景
が教えてくれるはずだ。みなさんも是非一度、数馬を訪れ、ふるさとを再発見してほしい。

                                 文/麒麟   写真/武居 英俊     
西多摩郡檜原村数馬へのアクセス
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