あけましておめでとうございます。
恐慌・太平洋戦争・敗戦・復興・高度成長・バブル崩壊等々激動の二十世紀が終わりました。この世紀は、一方でコンピューターを中心とする科学技術が飛躍的に発展しました。また、金融・経済・科学などの分野でグローバル化も進み、コンピューターとともに、生活や社会システムに大きな影響を与えてきました。二十一世紀もその潮流は変わらず、さらに宇宙へと拡大した出来事が輩出してくることでしょう。反面、環境問題など、前世紀から引き継いだ課題も少なくありません。
わが党は、新しい世紀において都民の皆様が健康で安心してくらせる都市・東京を目指して全力を挙げてまいります。
二十一世紀の都市像
新しい世紀の都市像を「クリーンな環境の中で、職・住近接が図られ、都民は福祉や生涯学習などの様々なサービスの中から自分に合ったものを選び、豊かな都市生活を享受できるもの」と捉え、この実現に向け様々な施策を強力に進めていきます。
一方、都は昨年末に、二十一世紀の都政運営の指針となる「東京構想二〇〇〇」を発表しました。そこでは、二十一世紀の東京を千客万来の都市と位置付け、三つの政策目標を掲げるとともに、一六の戦略目標を明示しています。また、三か年の実施計画を加え、計画実現の道筋を明らかにしております。
構想の考え方や個別の政策内容も具体的で分かりやすく、また、この間にわが党が主張してきたものとも基本的には軌を一にするものであり、評価すべき内容のものと考えます。
安心してくらせる都市
安心して都市生活がおくれるよう、建物の不燃化や河川改修等を促進し、災害に強い都市を構築します。
職・住近接を図るため都心地域での住宅建設や多摩地域における先端産業の集積を推進します。
ITを東京の新しい産業の起爆剤として、秋葉原・渋谷・臨海・多摩等の地区にまちづくりと併せて拠点開発を行います。
アジアの大都市との競争に負けないようにするため、羽田空港を国際化するとともに、施設を拡充していきます。
住み慣れた地域で自立してくらせるよう、グループホーム等を整備し、また、子育てを一層支援するため、認証保育所を各地に創設します。
あらゆる症状の救急患者を受け入れられるようにするため、都立病院の総合救急診療科(東京ER)や小児救急医療を充実します。
社会性や思いやりの心をもった子どもを育成するため、小・中・高校での体験活動を実施します。
都立の大学を改革し、社会のニーズにこたえられるような人材を育成するとともに、産・学・公の連携を推進します。
環境に配慮した健康都市
深刻化する大気汚染を防止するため、ディーゼル車の排ガス規制を強化するとともに、CNG車やLPG車の普及を促進します。
ロードプライシングの導入など総合的な交通マネジメント(TDM)を実施して自動車交通量の抑制による交通の円滑化を図ります。
渋滞の特に激しい交差点に右折車線を設置します。
広域的な幹線道路として圏央道や外かん、中央環状などの整備を促進します。
ダイオキシンなどの有害化学物質の規制を強化し、土壌や地下水への汚染防止に努めます。
循環型社会を実現するため、公共関与による産業廃棄物処理施設等の整備を推進します。
屋上緑化や街路樹の整備、都民参加による森林づくりなどの緑化対策を促進し、都市ヒートアイランド現象を緩和します。
地球環境保全に向けて、分散型発電の導入や廃熱の有効活用に取り組むとともに、ライフスタイルや技術開発の面で、省エネルギーを促進・誘導します。
環境対策は、単に規制の強化だけでなく、まちづくりや税制面などと一体となって効果を発揮します。クリーン東京の実現を目指し全庁的な取組を支援します。
新たな大都市経営の確立
こうした都市づくりを着実に推進していくためには、確固とした大都市経営の確立が欠かせません。
そのためには、「財政再建推進プラン」に掲げたように、厳しい内部努力を実施するとともに、施策の見直しや税財政制度の改善を図るなど、一層の財政構造改革に取り組みます。
また、地方分権一括法の施行に伴い、大都市の行政需要に見合った財源の確保を目指して、国に税源配分等の改善を強く要請していきます。
さらに、民間の資金やノウハウを活用するPFI事業を積極的に取り入れます。
一方、職員や組織が旧態依然では、施策の実現は絵に描いた餅になりかねません。「都庁改革アクションプラン」に言うようなスピード、コスト意識、成果の重視などの視点に立って職員の意識改革に取り組みます。
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