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請願・陳情の要旨

審査結果 採択
備  考


件  名

行政書士に行政不服申立手続の代理権付与を求める意見書の提出に
関する請願

番   号
付託委員会
22第 34号   総 務   委員会付託

(願  意)
 行政書士に行政不服審査法に基づく行政不服申立手続の代理権を付与することについ
て、国の機関に対し意見書を提出していただきたい。

(理  由)
 行政不服審査は、簡易迅速な手続により、行政庁がその内部において、許可申請の不
許可など不服申立ての対象となった行為について、自ら見直しをして当該行為の適否を
審査するものである。行政不服申立手続は、代理人によってすることが可能であるが、
従来、弁護士以外の者が報酬を得てその手続を代理することが禁止されていた。もっと
も、近年、隣接法律職の専門知識ないし経験を活用する観点から、弁理士、税理士、司
法書士、土地家屋調査士及び社会保険労務士においては、各専門分野における行政不服
申立手続を代理人として行うことが認められるところとなっている。

 平成20年7月1日施行の改正行政書士法によって、行政書士が、営業許可の取消処
分等に際して必要となる行政手続法上の聴聞弁明手続を代理人として報酬を得て行うこ
とが認められるようになった。これは、広く行政機関に提出する許認可申請書の作成及
び申請手続を代理人として行い、行政手続及び依頼者の申請内容の双方を熟知している
行政書士は、行政庁が不利益処分しようとする場合に求められる聴聞弁明手続を代理す
るにふさわしいとの趣旨に基づく。行政書士が行政手続及び依頼者の申請内容の双方に
熟知していることは、行政書士に聴聞弁明手続を代理させる根拠となるだけではなく、
より進んで行政不服申立手続を代理させる根拠となる。
 もっとも、行政処分の前段階である聴聞弁明手続とは異なり、行政不服申立手続は、
行政処分の不当・不法を理由にその効力を取り消すものである点で依頼者に対する影響
が大きく、より高度な行政手続に係る専門知識が必要とされる。この点、行政書士試験
において、行政手続法や行政不服審査法が試験科目とされていることに加え、日本行政
書士会連合会は、中央研修所を設置し会員個々の能力の向上に努めるとともに、提携の
各大学院にて行政救済法や要件事実論等の司法研修を積極的に実施し、行政不服申立手
続を代理人として的確に行うための専門能力の確保に努めている。
 このように行政手続及び依頼者の申請内容の双方に熟知し、行政救済法を始めとする
関係法令に精通している行政書士に、行政不服審査法に基づく行政不服申立手続の代理
権を付与することは、都民の権利救済を図り、また、行政の適正な運営を確保すること
に寄与するものと考える。

 なお、国(担当:内閣府、協力:総務省)においても行政救済制度検討チームを立ち
上げ、より柔軟かつ実効性のある国民の権利利益救済に資する行政不服審査法の見直し
が検討されているところである。



※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。