トップ > 提出議案と議決結果 > 平成28年第4回定例会 > 陳情28第131号

請願・陳情の要旨

審査結果 意見付採択
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

千代田区内の都道「白山通り」の街路樹の取扱いに関する陳情

番   号
付託委員会
28第131号   環境・建設 委員会付託

(願  意)
 都において、千代田区内の都道「白山通り」について、地元千代田区議会の決定を尊
重し、次のことを実現していただきたい。
1 平成28年12月に予定されている27本の街路樹の伐採を、性急に行わず一旦立
 ち止まること。
2 街路樹の扱いについて、一般住民等への説明会を開くなど、懇切な対応を、時間を
 掛けて行うこと。
3 1本でも多くの貴重な街路樹を生かすよう対応をすること。

(理  由)
 現在、千代田区内の都道「白山通り」において、道路工事が行われ、樹齢約80年の
街路樹が多数伐採されている。

 「白山通り」における工事は、神保町交差点から水道橋駅までの約700メートルの区
間において、無電柱化するため、平成28年4月にNTTが約10億円で請け負い、株
式会社協和エクシオが施工するものである。この道路は、東京2020大会のマラソンコー
スになる予定であるため、整備が急がれている。
 伐採予定の街路樹は計51本で、既に、平成28年8月から同年9月までに24本が
伐採・抜根され、残り27本の伐採が同年12月中旬以降に予定されている。街路樹の
伐採については、本年7月下旬に貼り紙が貼られるまで、地元の一般住民や通勤者には
全く知らされていない状態であった。地域の人の十分な理解や合意が得られないまま、
長年親しんだ元気なイチョウの木が抜かれることは、目的がいかに合理的であっても、
木の命を顧みない残酷な行為という印象が拭えない。一般住民等に向けた説明会の開催
等が必要である。

 本年7月、地元の千代田区では、「白山通り」を含む3本の道路において、合計300
本以上の街路樹の伐採計画があることが判明した。千代田区議会に対し、中止を求める
複数の陳情が提出され、同区議会は、本年10月に陳情審査を行い、以下のような街路
樹の保護方針を決定した。

 1 神田警察通Ⅰ期工事については、イチョウ並木を保存するために整備内容を見直
  すこと。
 2 区道の街路樹については、安全安心を基本に計画的に樹木医の診断をおこない、
  維持管理等に取り組むこと。
 3 区道の整備については、専門的見地をふまえ、街路樹のあり方を含め指導等を策
  定すること。
 4 東京都に対し、区の方針を反映できるよう要望すること。

 以上の審議結果にあるように、1から3までにおいて街路樹の保護方針や今後の在り
方について定め、4において都に対し、区の方針の反映を求めている。これは、住民の
意思を受けた地元議会の決定事項である。都道においても、地元の意見を重視すると考
えるため、地元議会で決定した街路樹の保存方針を尊重すべきである。

 また、別の民意も示されている。東京2020大会を契機とした道路工事に伴う街路樹の
伐採については、「千代田の街路樹を守る会」がインターネット上で反対署名を呼び掛
けたところ、本年11月29日時点で、既に4万人以上のネット署名が寄せられている。

 さらに、樹種も重要である。イチョウは都の木であり、シンボルである。シンボルに
は、自治体の象徴として、一定の敬意を払うべきと考える。都道に根を下ろし、樹齢約
80年にもなる立派な木は、都の歴史の一部として保護すべきではないだろうか。

 以上のことから、「白山通り」において、本年12月に性急な伐採はせず、一旦立ち
止まり、時間を掛けて地元議会や住民の判断と擦り合わせながら、少しでも多くの街路
樹が残るよう、懇切な対応をすべきである。



※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。