トップ > 提出議案と議決結果 > 平成26年第4回定例会 > 陳情26第68号

請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(2項、6項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

平成27年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳


番   号
付託委員会
26第 68号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、定時制通信制教育振興のために、次のことを実現していただきたい。
2 全ての都立定時制・通信制高校に、生徒下校時までのカウンセラー等の教育相談員
 の配置を行い、相談日数を増やすこと。
6 奨学金制度の整備・拡充を図ること。
 

(理  由)
 平成24年度より開始された都立高校改革推進計画では、定時制課程の給食の見直し
が平成27年度から本格実施される予定である。定時制の給食制度は、発育盛りの心身
を作るためには大切な一食であり、生徒の家庭環境を踏まえ、自校調理、給食内容、献
立数の現行の維持と給食費補助制度を堅持すべきである。また、放射能汚染による食品
の安全性への強化と、なお一層の、食の安全管理のための施設の拡充、器具の更新等、
一層の衛生の充実が必要である。

 定時制・通信制の生徒の多くは、中学校時代の不登校経験や家庭問題、精神的問題、
金銭的問題等様々な課題を抱えている。また、退学率が全日制に比べ非常に高い。この
ような状況を踏まえ、生徒一人一人の「生きる力」、「勤労意欲」、「学習意欲」の向
上のために、専門的な視点から日常的に教育相談を実施できる相談員が必要である。平
成26年度から各都立高等学校でカウンセラーが設置されたが、定時制終了時間までの
勤務、相談日数の増加の必要がある。

 生徒たちの豊かな人間性を育てていく上で読書は極めて重要である。具体的には、読
書は言葉の感性を磨き、論理的な思考力や表現力、想像力を高めることができる。しか
しながら、図書館司書が配置されていない都立高校や、図書館が授業終了前に閉館する
学校が多く、読書に親しむ機会を奪っている。そこで、全ての定時制・通信制課程高等
学校に図書館司書教諭又は図書館司書の配置と、定時制課程の図書館の開館開始時間及
び閉館時間を、定時制の教員の勤務時間と同じ時間帯にすべきである。また、生徒の言
語能力向上のため、読書活動推進の一環として、読書環境の整備、充実の必要がある。

 定時制・通信制において、部活動が活発化してきている。しかしながら、夜間に対応
できる施設が少なく、生徒の安全確保が難しいのが現状である。また、運動部の部室が
少なく、道具の保管、着替え等に問題が生じている。以上を踏まえ、定時制・通信制生
徒のために、より一層の施設整備の拡充の必要がある。

 定時制高校の生徒の中には、家庭問題、友人問題を抱え、社会や家庭での居場所を確
保するのが難しい生徒がいる。居場所確保のために、始業時間前に高校に登校する生徒
が大幅に増加し、話し相手として友達、教員を求めている。この現状を踏まえると、定
時制・通信制専用教室又はフリースペース等の確保の必要がある。

 定時制・通信制生徒の勤勉意欲支援、進路実現支援のための奨学金制度の整備・拡充
の必要がある。各種奨学金制度が拡充してきているが、不景気で収入減となる家庭の増
加が見込まれるので、東京都育英資金制度を維持すべきである。また、高校改革により
奨学金制度の改定が見込まれるので、現行の奨学金の維持の必要がある。




※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。