審査結果 | 意見付採択 |
備 考 | (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。 |
件 名 |
優先席「譲り合い統一マーク」制定に関する陳情 |
番 号 付託委員会 |
21第 29号 厚 生 委員会付託 |
(願 意) 都において、福祉のまちづくりに則し、優先席を「譲り合いマーク」で有効活用して いただきたい。 (理 由) 東京都福祉のまちづくり条例が施行され、ユニバーサルデザインの理念に基づき、す べての人が安心安全に通勤電車に乗り込むことまでは、環境整備されてきている。 ところが、車内に設定された優先席の現状は一般席と何ら変わらない実態にある。 携帯電話の電源OFFを促す車内アナウンスも、イヤホンで耳をふさぎ携帯を操作す る当人には聞こえるはずもなく、優先席と書かれた障害種別マークの並んだはり紙を見 ても、優先席の意味は伝わっていないようである。優先席に座る健常者は、必要として いる優先者に譲らねばならないことを明記し、規制する必要がある。優先席は、安全上、 車内では座ることが必要な、高齢者、幼児、妊婦、病弱者を始め、様々な障害を持つ方 々が座れるよう用意されている座席である。その中に、外見上障害が見えない私たち難 病患者もいる。優先席は競争して奪い合ういす取りゲームの的ではない。 優先席の意味が伝わっていない人には「席を譲っていただけますか。」と、互助精神 を啓もうする言葉掛けも必要である。さらに、携帯に熱中する人に「携帯の電源を切っ て下さい。」と、声を掛けるには勇気が必要である。 そこで、席を必要とする人々に、既存のマタニティマークと併せて「譲り合い統一マ ーク」(バッジ)を付けて乗車してもらい、優先席での「譲り合い」をよりスムーズに 促す手懸りとしてほしい。その後、さらには、様々な場面(学校・家庭・社会)で互助 精神を醸成し、素敵な福祉のまちづくりに結び付けば良いと思う。 なぜ、東京都なのかというと、ユニバーサルデザインの理念に基づき、すべての人が 安心安全に、かつ快適に暮らせる社会の実現を図ることを目的とする「東京都福祉のま ちづくり推進計画」が、平成21年3月26日に策定されている。都内で通勤電車に乗 り込むまでは、エレベーター、エスカレーター、駅員による乗降車いす障害者への支援、 等々環境整備されてきている。 大都市交通センサス(国土交通省、平成19年3月30日)によると、終日総鉄道輸 送人員は、首都圏4,000万人、近畿圏1,300万人、中京圏300万人である。首都圏の鉄道 輸送人員は、1日で日本の人口の3分の1を運んでおり、他の都市圏を圧倒している。 また、首都圏の混雑率は昭和50年の221%をピークに平成15年以降は、ほぼ170%で 推移している。 都内の障害者雇用枠特例子会社21社に試みた、障害を抱えての就労者の通勤状況ア ンケートでは、就業障害者で白いつえを折られたことのある方は、それ以降、早めに出 社し健常者に負けないように勤務している。ある進行性の難病患者は、隣県の住まい近 くからバスと電車を乗り継いで神田まで通っている。6時前のバスで西武新宿線の駅に 出て、始発電車で乗換駅までは座って行くが、乗り換える地下鉄は行きも帰りもまず座 れない。帰路は1時間立ちっぱなしと記している。 雇用者からは、先天性脳性麻ひの社員が通勤中に転ぶと、大きな労務災害の事故にな る心配があり、心配だ。ろうあ者の社員にバランス感覚のよくない社員がおり、座れな いとつらそうだ、と記している。 障害者マークは10種類ほどあるが、マタニティマークは、平成18年に厚生労働省 の母子保健全国計画の一環として「健やか親子21推進検討会」がデザインを公募し、 国土交通省とともに認定をして、首都圏の鉄道事業者16社局で使われている。 国の政策に、重度障害者等通勤対策助成金がある(通勤用バス1台700万円、通勤用 自動車1台150万円、駐車場月5万円、通勤援助者の委嘱助成金1回2,000円などで、い ずれも助成率は4分の3)。総額8億4,000万円余が、高齢・障害者雇用支援機構から 支出されている。 「譲り合いマーク」は、国際モデル都市「東京」人の謙譲の、心優しき心情を啓発す るツールとして当面用いることとし、やがてはこれを必要としない福祉のまち東京を達 成目標としたい。 |
※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。 |