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請願・陳情の要旨

審査結果 一部意見付採択(1項、2項、3項、5項、9項、10項)
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願

番   号
付託委員会
 2第 39号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、私立学校の全ての生徒が十分な教育環境の下で、生き生きとゆたかな学
校生活を送ることができるよう、次のことを実現していただきたい。
1 私立学校(幼、小、中、高、専修学校高等課程)に対する助成金の更なる拡充を図
 ること。
2 私立高等学校に対する「40人学級編制推進補助」を増額すること。
3 私立高等学校の40人学級を完全実施するため、私立高等学校に対する助成金の評
 価項目・評価方法を更に改善すること。
5 私立高等学校等授業料軽減補助の更なる充実に努めること。
9 私立専修学校専門課程(専門学校)に対する経常費助成制度の創設を国に働き掛け
 ること。
10 文部科学省が行っている私立学校(幼、小、中、高)に対する私学助成を増額させ
 るよう、強く国に働き掛けること。

(理  由)
 東京都においては、私立学校に通学している児童生徒等の割合は、高校生が5割以上、
園児や専修学校生は9割以上で、公教育の中で私学は大きな役割を果たしている。
 令和2年度の私学助成予算は、約2,091億円で、昨年度より約204億円(10.8%)の大
幅な増額となった。特に、私立高校生に対する授業料軽減補助(特別奨学金補助)につ
いて、年収約910万円未満の世帯にまで対象を拡大したこと、また、年収910万円以上の
多子世帯への支給も新設されたことは、授業料無償化に向けた大きな前進として高く評
価する。
 一方、学校運営経費について公立と私立の公費負担分を比較すると、平成30年度の
都立高校生一人当たりに使われている公費(税)は103万7,637円、私立高校生は39万
3,388円で、都立は私立の約2.6倍が公費で負担され、公私の格差は大きく開いている。
また、私立では、入学時や年度初めには入学金や施設維持費など多額の納付金が必要で、
保護者にとって大きな負担となっている。高校が既に義務教育化している現状で、経済
的理由により私立高校への進学を諦めることがないようにしなければならない。
 私たちは30人学級を目標とし、「40人学級の完全実施、35人学級の実現」を主
張してきた。令和2年度の私立高校231校中、実際の学級編制人数の平均が41人以上の
学校が37校(約16.1%)もあり、教育環境を、より改善する必要がある。
 ゆたかで質の高い教育が保障されるためには、教員数の確保も絶対に必要な条件であ
る。令和元年度の都立高校では教員一人当たりの生徒数が14.3人、私立高校では17.9人
で、私立では都立の教員に比べ、はるかに少ない人数で教育活動を行っている。
 平成31年3月の都内高校卒業者の11.6%が専修学校の専門課程に進学している。平
成30年度から「私立専修学校職業実践専門課程推進補助」が新設されたが、それ以外
に運営費などの助成金はない。キャリア教育を実践する専修学校等に対する助成制度の
創設が必要とされている。
 私学の運営に欠かせない公費(助成金)は税金である。私学関係者は、財務の情報公
開を積極的に行うことにより、経営の透明性を高めなければならない。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。