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請願・陳情の要旨

審査結果 採択
備  考


件  名

学校教育における労働・社会保険等の教育の実施に関する請願

番   号
付託委員会
 2第  2号   文 教   委員会付託

(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
1 都立高校において、働くときのルール等を学ぶ機会を授業等の方法で実施すること。
 併せて、予算措置を講ずること。また、必要に応じて、社会保険労務士を始めとする
 外部人材の活用を一層図ること。
2 ワークルール教育推進法(仮称)が制定された場合は、都立高校の教員に対する労
 働・社会保険諸法令についての研修等を行う講師に、社会保険労務士を始めとする外
 部人材の活用を図ること。併せて、予算措置を講ずること。

(理  由)
 社会保険労務士が学校教育に積極的な関与を求める理由は、近い将来、社会人として
自立していく高校生に対し、労働・社会保険諸法令に関する基本的な知識を提供し、適
正な労働環境を手に入れることができる社会を実現したいという職業上の使命感に基づ
くものである。近年、いわゆるブラック企業やブラックバイト等の労働者を疲弊させる
労働環境が社会問題化しており、労働者は自分の身を守るための基本的な法律知識を身
に付けることが一層必要となっている。また、高校生があまり意識しない労働保険や社
会保険が、実質的なセーフティネットとしての機能を果たしている点を理解してもらう
ことも重要な目的である。
 東京都社会保険労務士会は、平成19年度から都立高校に講師を派遣し、働くときの
ルール等をテーマとした授業を実施している。平成28年度は8校13授業、平成29
年度は26校65授業、平成30年度は29校76授業と年々依頼が増えている。昨今、
雇用のミスマッチや深刻な人手不足による労働者の過重労働が問題となるなど、高校生
が社会人となったときに必要となる働くときのルール等の知識を、高校生のうちから習
得しておくことが求められているため、今後も多くの都立高校において、働くときのル
ール等をテーマとした授業等を行う必要がある。
 国会では、議員立法による取組として、ワークルール教育推進法(仮称)の制定につ
いて具体的な検討が進められている。この法案は、充実した職業生活を営むことができ
る働き方の実現及び健全な事業活動の促進に資するためのワークルール教育を推進する
ことを目的とし、学齢期から高齢期までの国民(事業者含む)を対象としており、地方
公共団体も含め国を挙げての取組が計画されている。
 この法案の取組は、東京都社会保険労務士会が進めている学校教育における労働・社
会保険等に関する教育と正に意図や趣旨を同じくし、法制化は東京都社会保険労務士会
の取組をより強固に活性化・促進する力になるものであり、国会での早期法制化を強く
期待している。
 また、この法案の趣旨を実現するために、社会保険労務士は、教員に対する労働・社
会保険諸法令の研修会等に対応するとともに、法制化された際には、ワークルール教育
の企画・実践に当たって積極的に協力する。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。