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(願 意)
都において、東京都屋外広告物条例に違反して、無登録で屋外広告業を営む者に対し、
行政指導及び刑事罰の適用を含め、適切な取締りを実施していただきたい。
(理 由)
1 路上に多数の商工案内図が設置されていること。
都内の公有地や私有地のフェンスに、商工案内図と題する地図が多数設置されてい
る。こうした商工案内図を設置する者は複数いる。
2 商工案内図による被害が生じていること。
商工案内図の設置者は、設置場所付近の中小零細企業を巡回し、「商工案内図に企
業名を掲載したから掲載料を支払うように。」などと告げ、金銭を徴収している。
徴収の際、商店街や役所から来たように装い、あるいは責任者不在の間に押し掛け
て「責任者から頼まれた。」と述べるなどして、多数のトラブルを発生させている。
このため、八王子や高円寺など都内各地の商店街が、商工案内図の設置者を名指しし
て警戒を呼び掛けている。
3 商工案内図の設置が法令に違反していること。
(1)広告業として無登録であること。
屋外広告物法第9条は、「都道府県は、条例で定めるところにより、その区域内
において屋外広告業を営もうとする者は都道府県知事の登録を受けなければならな
いものとすることができる。」旨を規定している。
これを受けて、東京都屋外広告物条例第39条第1項は、「東京都の区域内にお
いて屋外広告業を営もうとする者は、知事の登録を受けなければならない。」旨を
規定している。同条例第68条第6号において、かかる登録を受けずに屋外広告業
を営んだ者に対しては30万円以下の罰金とする定めが設けられている。
商工案内図の設置者の中には、こうした登録を受けていないものが多い。
(2)設置について無許可であること。
多くの都内自治体において、商工案内図のような屋外広告物を区域内に設置する
ためには事前許可が必要とされている(町田市屋外広告物条例第9条、八王子市屋
外広告物条例第7条など)。設置場所が公有地である場合においてはなおさらであ
る。
しかし、陳情者が行政文書の開示請求により確認した限り、商工案内図の設置者
らがこうした許可を求めた形跡は見当たらず、無許可で活動しているものと考えら
れる。
4 都としての対応が必要であること。
(1)被害者自身が救済を求めづらいこと。
上記のとおり、商工案内図を用いた詐欺被害が多数生じているが、被害当事者が
消費者ではなく事業者であるため、消費者契約法や特定商取引法の保護が及びにく
い。
また、被害金額が1回当たり数千円と僅少であるため、被害者が個別に民事裁判
に訴え、又は刑事告訴をすることも難しい。
こうした実態から、被害者としては、飽くまで自衛や商店街などを主体とした注
意喚起にとどまらざるを得ない。
(2)個別自治体の対応が奏功していないこと。
違法に設置された商工案内図について、区や市町村といった個別の自治体が、任
意撤去を求める警告札を貼付の上で除却するという対応を採っている。商工案内図
の設置者らはこうした警告を無視しており、その除却や保管といった手間や費用は
行政の負担となっている。
世田谷区内に設置された商工案内図の事例について陳情者が確認したところ、設
置者は世田谷区から撤去を求められたにもかかわらずこれを無視し、世田谷区が公
金により除却処分せざるを得なかった。
5 結論
以上のとおり、違法な商工案内図の設置に伴う被害が多数生じており、個人や個別
自治体の努力によっては対応に限界がある。
よって、陳情の趣旨記載のとおり求める次第である。
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