(願 意)
都議会において、檜原村における産業廃棄物焼却場の建設計画について、建設する事
業者に適格性があるか、檜原村を建設予定地とすることが適切なのかを議論・検証して
いただきたい。
(理 由)
比留間運送株式会社が建設を計画している産業廃棄物焼却場は、東京都の水源地であ
る檜原村の秋川渓谷のすぐ近くに位置し、一日当たり96トンの産業廃棄物を焼却する
巨大な施設である。
私は、本年5月に同社が開催した住民説明会に出席した際、社長から、現在稼働して
いる武蔵村山市内の廃棄物処理施設では、一日当たり4.8トンの産業廃棄物を焼却してお
り、廃棄物に混入しているライターやボタン電池などが原因で、小規模な火災が時々発
生していることを聞いた。そこで、住民からは、小規模な火災への対応や火災発生時の
マニュアルなどの規定について質問があったが、納得できる回答はなかった。
今回、計画されている産業廃棄物焼却場は、武蔵村山市内で稼働している同社の施設
の約20倍の焼却能力があり、当然、産業廃棄物の集積量も多くなる。本年5月29日
には、鳥取県境港市にある廃棄物処理工場で、屋外の廃棄物集積場から火災が発生した
というニュースが流れた。檜原村に産業廃棄物焼却場が建設され、もしも同様の火災が
発生したならば、都民の水源である秋川渓谷が汚染されることは容易に想像できる。
また、建設予定地は、崖崩れや土石流の危険性があることが、地形学者から指摘され
ている。日本列島は地震活動期にあり、地殻変動や予想外の豪雨による災害も各地で発
生している。
産業廃棄物焼却場を建設する事業者に適格性がなければ、檜原村だけでなく、地形的
に東京都の広範囲に被害をもたらすおそれがある。
都民の命と財産を守るためにも、都議会において、檜原村における産業廃棄物焼却場
の建設計画について、建設する事業者に適格性があるか、檜原村を建設予定地とするこ
とが適切なのかを十分に議論・検証すべきである。
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