トップ > 提出議案と議決結果 > 令和3年第1回定例会 > 陳情2第124号の1

請願・陳情の要旨

審査結果 意見付採択
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。


件  名

建設現場従事者に対する新型コロナウイルス感染防止対策の強化に
関する陳情

番   号
付託委員会
 2第124号の1 厚 生   委員会付託

(願  意)
 都において、次のことを実現していただきたい。
1 社会基盤整備に携わる建設現場従事者が安心して業務に従事できるように、PCR
 等の検査体制を強化すること。
2 頻発する自然災害による被災地の復旧・復興支援事業に当たる建設現場従事者に対
 し、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための公的な検査を実施すること。
                             ―以上 厚生委員会―
3 建設現場での新型コロナウイルス感染防止に向けた情報提供等の支援を行うこと。
                           ―以上 都市整備委員会―

(理  由)
 政府による緊急事態宣言解除後も、新型コロナウイルス感染症が各地で発生している。
中でも、都内においては感染者数が高水準で推移しており、都民は強い危機感を抱きな
がら日々を過ごしている。都には、PCR等の検査体制の拡充を始めとして、都民の命
と暮らしを守る施策の強化が求められている。
 建設業においては、令和2年4月、都内の建設現場で感染事例が発生し、社員が亡く
なった。また、同年7月には別の建設現場でクラスターが発生し、17人が感染した。
その後も、各地の建設現場で集団感染が断続的に発生しており、多数の労働者等が流動
的に出入りする建設現場は、感染拡大の特有の危険をはらんでいる。
 建設業は、社会基盤を整備する基幹産業と位置付けられ、緊急事態宣言下においても
一部を除き工事を継続した。建設現場従事者は医療従事者などと同様に、社会機能を維
持するために必要なエッセンシャルワーカーといえる。建設現場従事者の感染を防ぎ、
経済活動を支える社会インフラを整備する事業を滞りなく継続させていくためには、建
設現場での感染防止に向けた情報提供等の支援が必要である。
 現在、建設現場内の「3密」による感染リスクを懸念する声が、建設現場従事者から
多数寄せられている。建設現場従事者が安心して業務に従事できるように、PCR等の
検査体制を強化することが求められている。速やかに検査を実施し、建設現場でのクラ
スターの発生を防ぐことは、医療機関の負担を軽減し、医療崩壊を防ぐためにも重要で
ある。
 また、阪神淡路大震災や東日本大震災など自然災害による被災地の復旧・復興事業に
も、建設現場従事者が携わっている。都内での自然災害発生時にも、東京都内外の建設
現場従事者が復旧・復興事業に当たってきた。災害が頻発している近年では、平成28
年の熊本地震、平成30年の西日本豪雨、令和元年の東日本台風の際には、被災地での
応急仮設住宅の建設作業などに当たっている。
 今後も、自然災害が発生した際には、建設現場従事者が被災地での仮設住宅建設や社
会インフラの復旧・復興支援事業に携わることとなる。被災地では、避難所などで感染
症が流行するリスクが高く、特段の配慮が求められる。被災地での感染拡大を防ぐ方策
の一つとして、災害復旧・復興支援事業に当たる建設現場従事者への公的な検査を実施
することは有効といえる。
 新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、安心して業務に従事したいという声
が高まっている。PCR等の検査体制の強化と被災地の復旧・復興支援事業に当たって
の公的な検査、建設現場での感染防止に向けた情報提供等の支援が必要である。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。