文教委員会 管外視察報告

令和8年7月22日(水曜日)から7月23日(木曜日)
委員長 関口 健太郎(立憲ミネ無)

 文教委員会は、文化・スポーツの振興、学校教育や社会教育に関すること、また教育環境の整備など、都民生活における身近で幅広い分野を所管している委員会です。

 東京都では、芸術文化を都市の魅力向上、地域活性化などにつながる重要な政策分野として位置付け様々な取組を進めており、また、国際社会において自ら主体的に行動できる人材を育成する観点から、都立の商業高校でIB(国際バカロレア)の導入を検討しています。さらに、多様なスポーツの取組を通じた交流機会の創出などに今後取り組むこととしています。

 こうした状況を踏まえ、今回、文教委員会では、当委員会が所管する課題に対する調査を行うため、7月22日から23日にかけて北海道内で視察を実施いたしました。

 以下、その概要について、ご報告いたします。

札幌芸術の森

札幌芸術の森を訪問

 22日は、まず、豊かな自然の中で芸術と出会い交流する場として文化振興を進める取組について調査するため、札幌芸術の森を訪問し、説明を伺いました。

 札幌芸術の森は、恵まれた自然環境の中で、芸術活動の追求、市民の芸術活動への参加を通じて、札幌の文化を内外に発信することを目指し、昭和61年にオープンした施設です。

 中心的施設は野外美術館で、7.5ヘクタールの広さを持ち、74点の彫刻作品が常設展示されていますが、作品の多くは、作家が実際にこの地を訪れ、地形や周辺の状況、気候をもとに構想を練り制作したものであるとのことです。積雪地ならではの環境を活かし、冬期には、かんじきを履きながら雪の中の作品を鑑賞する「かんじきウォーク」を実施しているとのことです。

 また、設立当初は、プロのアーティストが滞在しながら制作活動を行えるようにするというコンセプトがあったため、アトリエやロッジなどが充実しているが、時代の変化に伴い、現在では愛好家や市民の方の需要が高く、毎日の制作体験や、定期的なワークショップ・講習会を行っているという説明がありました。

 恵まれた自然環境である反面、札幌市内中心部から車で約40分というアクセス状況にあるためリピーターが定着しづらく、更に近年は入園者数が減少傾向にあることから、愛好家以外も含めた誘客対策として、謎解きイベントなどの取組を行っているとのことです。

札幌芸術の森 アトリエ 札幌芸術の森 野外美術館

市立札幌開成中等教育学校

 次に、国際バカロレアの教育プログラムを活用した探究的学習について調査するため、市立札幌開成中等教育学校を訪問し、説明を伺いました。

 市立札幌開成中等教育学校は、平成27年に、札幌市内初の公立中等教育学校として開校しました。この学校の特徴としては、「6年間を通じた課題探究的な学習」を教育の軸に掲げ、これを実践するための方法として、IB(国際バカロレア)プログラムを活用した教育を行っていることです。

 学ぶ喜びを生涯に渡って持ち続けるというIBの学習者像を常に大切にしながら生活すること、また、SELF(Stimulating Experience and Learning for the Future)、つまり物事を「自分ごと」化する体験により、子どもたちの主体性を育むことを目指すという理念のもとに教育活動を行っており、例えば、5学年時に受験の流れを1年早く模擬体験させることで、「受験」を「自分ごと」として考えさせるという取組は、印象的でした。また、課題探究的な学習に必要である「探究-行動-振り返り」というサイクルに対応するため、1コマ100分の授業を行っているとのことでした。

 説明聴取の後、校内の授業の様子も参観させていただき、一方通行型の従来の教育と異なる部分に感銘を受けました。

市立札幌開成中等教育学校を訪問 国際バカロレアの教育プログラムを活用した探究的学習の調査

北広島市役所、北海道ボールパークFビレッジ

 翌23日は、スポーツ振興と地域活性化のモデルとして注目されているボールパーク構想について調査するため、北広島市役所を訪問し、説明を伺いました。

 北広島市では、未整備の市有地について、プロ野球球団の新球場構想の報道に伴い、平成28年本格的に誘致活動を開始し、平成30年に新球場(ボールパーク)建設が決定。官民連携、広域連携体制で進められたのが、ボールパーク構想になります。

 この構想で特徴的なのは、ボールパークに様々な機能を持たせて、野球興行以外で収益化する仕組があることです。ボールパーク内には、宿泊施設、農業学習施設、認定こども園などが併設されており、地域全体の回遊性や交流人口を高めています。実際、令和7年においては、プロ野球観戦の来場者数を、観戦目的以外の来場者数が上回る結果になっているとのことです。

 市として注力したのは、ボールパークの魅力を高めるためのインフラ整備と行政手続で、関係機関との粘り強い交渉により、従来方式によらない進め方での市街化区域への編入や、地域のイメージに合う親しみやすい新町名の制定などに取り組んだとの説明がありました。

 その後移動し、北海道ボールパークFビレッジを視察させていただきました。

北海道ボールパークFビレッジを視察 北広島市役所を訪問

 以上、2日間という非常に限られた日程の中での視察でしたが、現地での取組を直接拝見し、貴重なお話を伺うことができたことは、今後の委員会活動を進めていく上で、大変、参考になりました。今回の視察で得た成果を、今後の委員会活動を通して都政へと役立ててまいります。

 最後になりますが、このたびの視察に際し、御多忙の折、懇切丁寧に対応していただきました札幌芸術の森及び市立札幌開成中等教育学校の皆様並びに北広島市役所の皆様には、心から感謝と御礼を申し上げます。